黄金時代は準備されていた
Def Techは2001年に結成されてから2005年にデビューするまで、4年の年月を過ごしています。
この4年間はデモの作成や1000回以上のステージをこなすことで実力を身につけて来た期間であると同時に、複数のレコード会社からのオファーを全部断り続けた4年間でもありました。
デビューを断るなんてもったいない話ですね。
しかし、当時のラップミュージック界隈ではもう少しハードなサウンドが好まれていました。
彼らの音楽が受け入れられる時代を待ってからデビューを果たしたDef Techの「黄金時代」は来るべくして来る時代だったのです。
止まらないかのように思えた黄金時代の終焉
2006年には自身のレーベル「JAWAI」を設立し、続いてフルアルバム「Catch The Wave」をリリース。
ここまでのアルバム合わせて500万枚以上のヒットを重ね、Def Techの「黄金時代」はまだまだ続くように思えました。
しかし、この頃からMicroとShenの不仲説が流れるなど、ほころびが見えはじめます。
そして、ついに2007年の9月。ホームページ上で解散が知らされました。
Def Tech解散の秘密
前向きな歌の原動力は怒りだった
大ヒットの「My Way」を含め、Def Techの歌にはまっすぐに信じるままに前進していこうといった前向きな歌が多く感じられます。
しかし、2012年のインタビューの中で、Microは「当時は怒りでしか音楽をやっていなかった」と話しています。
前向きな気持ちで前向きな歌を歌っていたのではなく、どうにもならない困難の多い世界に対して怒りを感じていて、その怒りを原動力に歌っていたというのです。
ストレートに進めない現状に対して、怒りや反骨精神で世界を変えていこうという気持ちです。
邪魔が入っても何が何でも前に進もうということですね。
怒りでは世界を変えられなかった
しかし、怒りを原動力に社会の変革を歌うという姿勢には限界がありました。
不条理の中で世界を変えていきたいと思っているのに、世界を変えてけてはいないという現状。
そして、それでも世界を変えなければいけないという自分の強い思いに対して、焦りやプレッシャーを感じることが多くなります。
そして、MicroとShenもぶつかり合うことが多くなり徐々に解散への道を進んでいきます。
Golden Ageに込められた解散と再結成の秘密
同じインタビューの中でShenは、若き日の自分にかけたい言葉は?と聞かれて、「Golden Ageの中にその答えが完璧にある」と話しています。
また、解散と再結成の経験について「ありがたい苦労だった」とも話しています。
再結成のきっかけとは?
Def Techは解散し、Shenはハワイに帰ってしまいます。
その後、Microからの電話も着信拒否にし、一切出なかったそうですが、1年ほど経ったころのことです。
Shenの子供が生まれたことを聞いたMicroが「おめでとう」の言葉をかけようと電話をしたところShenが電話に出ました。
このことが再結成のきっかけとなります。
孤独な戦いを続けることで解散してしまったDef Techですが、仲間とともに立ち向かうことで、再び「黄金時代」を築く。「Golden Age」の歌詞に符合しますね。
このような心境の変化により、解散に向かうほどの苦難を「ありがたい苦労だった」と表現できるようになったのです。
Golden Ageが収録されているアルバム
Golden Ageは2011年10月に発売された「UP」というアルバムの2曲目に収録されています。
このアルバムは、東日本大震災に直面して苦しむ人々を前に「音楽」の力の限界を感じたDef Techが自分の無力さを感じている人のために作った「The Day Dream」という曲で始まります。
音楽で世の中を変えたいと思い、現実には変えられない困難を感じて解散したDef Tech。
その彼らが「ベストを尽くしたにもかかわらず結果が出せない無力な自分を責めないで」というメッセージを込めた曲を「Golden Age」と同じアルバムに収めた。
このことは、再結成したDef Techにとっては決して偶然ではないでしょう。
少し落ち込んだときなどに聴いてみると、元気づけられること間違いなしですね!
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