意味が無いとわかっていても...
開き直ることの清々しさ
切羽詰まった時は、いっそのこと開き直ってみてはいかがでしょうか。
そうすることで状況を打破できるわけではありませんが...
しかし、にっちもさっち行かずそのまま押しつぶされてしまうよりいいでしょう。
その点、主人公は建設的です。
目をつぶったって 三つ数えたって
欲しい物はそこにないけど
ここに居るんだって 君が好きなんだって
意味のない事ばかりをいつもやってんだ
出典: 3カウント/作詞:岩沢厚治 作曲:岩沢厚治
雨に打たれながら、主人公は欲してやまない物を想像します。
目を閉じて「いち、に、さんっ」と心の中で数えてみます。
目を開けてみても、当たり前ですがそこに欲しいものはありません。
どうしようも無い日々の中で、時折意味のないことをやってみる。
しかし、それも彼にとってのルーティーンなのです。
歌詞に登場する「君」のことは別にすごい好きというわけではないのでしょう。
「ちょっといいな」くらいの人です。
「バカみたいだ」と思いつつも少し笑い、我に帰り、ギリギリのところで開き直ります。
そして、明日もなんとか頑張れる、意味のないことがスイッチになります。
難解ながらも茶目っ気を
ここからは2番のAメロです。
大きく場面が変わります。
一見難解な様に見えますが、深読みしてみるとそうでもありません。
日々の情景をそのまま切り取って
地下鉄に乗って人は動く それにつられて地球は回る
ちんぷんかんぷんどうかしてる
バカバカしくてやってられないから違う通りに逃げ込んでる
見つからない様にあっち向いてホイ!
出典: 3カウント/作詞:岩沢厚治 作曲:岩沢厚治
歌詞の通り、人は電車に乗って移動します。
しかし、それにつられて地球が回るとはどういうことでしょう。
答えは簡単です、人々が世界の中心なのです。
地球の核ではなく、電車に乗る人が中心であれば、電車が動けばそれにつられ地球も回ります。
ここまで考えてどうでしょう、意味不明です(笑)
ちんぷんかんぷんです、どうかしています。
そうして混乱した歌詞の主人公は、いつもと違う路地に入ってしまいます。
ここはどこでしょう。
そこへいつもの「憂鬱」追ってきます、ルーティーンが必要です。
しかし、いつもの路地ではないのでこのままでは逃げることができず、家にも帰れません。
そこでなんとか「憂鬱」やり過ごし逃げるため、自分にあっち向いてホイをします。
追い詰められた状況ですが、お茶目で可愛い場面でもありますね。
「自分」の「日々」を見失う
ここで歌詞の主人公は自分のルーティーンが間違いだったことに気付いてしまいます。
生きてるって事履き違えて
数字にすり替えてゆくのなら
覚えた事を知ってゆく事を忘れたくもなるんだよ
出典: 3カウント/作詞:岩沢厚治 作曲:岩沢厚治
雨に打たれることで、機械的に自分を動かしてきた主人公。
しかし、知らない路地に迷い込み、「憂鬱」に追い詰められてしまいました。
雨に打たれることができない状況です。
しかし、ここで主人公はあっち向いてホイで顔を背けました。
無心になり、機械的に動くのと違い、とても人間味があります。