小説、映画とヒットしたこの作品、次なるステージはアニメでした。
フジテレビ深夜枠“ノイタミナ”で映像化されたこの作品は、アニメとしてもヒット。
岡崎体育が書き下ろした主題歌のMVは、この作品のスタッフによるアニメーションによって彩られ、大きな話題を集めました。
アニメーションの世界で動く岡崎体育、さすがヒットアニメを描くスタッフによる彼のイラストはそっくりで、動きもコミカルで、思わず笑ってしまう仕上がり。
公開
このNV、GYAO!にて2016年11月30日まで限定公開されていましたが、現在は視聴できません。
でも大丈夫!
初回限定盤にはMVの収録されたDVDが同梱されており、現在も購入可能です。
(上記の画像リンクからチェックしてみてね!)
また、ちょっと気の長い話ですが、今後発売されるであろうアルバムの初回限定盤にも収録される可能性大!
是非一度、観てみてくださいね。
歌詞
朝のおぼろげとした静寂 ペンの柄に映る窓越しの東雲
夜の色鮮やかな喧噪 猫のように街と街を往来
出典: http://www.kasi-time.com/item-80463.html
東雲(しののめ)とは明け方に東の空にたなびく雲のこと。
朝、ペンを持っているということは、徹夜明けのようです。
外では用例集めに没頭し、中では用例の編集を繰り返す辞書作りの仕事。
そんな日々を描写した冒頭部分です。
硬い思念 柔い思考 近い想い 遠い記憶 髪の毛の癖
狭い視野 広い交遊 長い沈黙 短い挨拶 声のトーン
出典: http://www.kasi-time.com/item-80463.html
これらは主人公・馬締の特徴の羅列でしょうか?
もしくは、日常を収集する様子の描写のようです。
何気ない動きに名前を付け、言葉を意識する編集者たちには、世界はこんな風に見えているのかもしれません。
互いに違う目の奥の光 条約にない友好の跡
永久の砂を攫う広い海で
出典: http://www.kasi-time.com/item-80463.html
馬締は孤独な男で、この仕事に選ばれるまで友人も持たなかったような男です。
天職を得て初めて、彼は他人を知ります。
違うことを考える他人との関わり、気付いたら芽生える友情。
そんなものに出会えたのは、永久とも思える辞書編集の海の中だったのです。
対義や類義の疎らな波に呑まれては沈んで
正面衝突 正反対も解いては結んで
論及 論決 幾星霜に散らばる言葉を集めて拾うよ
潮風薫りゆく 浜辺に浮かべた繋がりは一つに
出典: http://www.kasi-time.com/item-80463.html
この物語で編集する辞書の名前は「大渡海」。
海のように広大な言葉の世界を渡る指針になるような辞書を、と名付けられた名前です。
このことからか、物語の中でしばしば、海や波という表現が用いられます。
対義語、類義語、形容詞、助詞、用例…エトセトラ。
そんな途方もない言葉の量を、海や波に喩えて表現しているのです。
夏の駅に眩んだ電光 ワイシャツの襟に滴る勤め汗
冬の雨にくすんだ憧憬 薄めた絵の具で線を描いた
出典: http://www.kasi-time.com/item-80463.html
辞書の仕事に就き、いくつもの季節を超える主人公。
そんな日常も、岡崎体育の言葉によってこんなにも美しく彩られます。
現実/空想 優秀/劣等 賛成/反対 実践/理論
酷評/絶賛 応用/原理 解放/閉鎖 以外/以内 未来/過去
出典: http://www.kasi-time.com/item-80463.html
対義語を並べたこの歌詞。
ひたすら黙々と仕事をする彼らを描写するならば、他のどんな言葉を使うよりも、この方法がいちばんかもしれません。