親元を離れたことで自由度が広がり、酒やタバコといったものも経験をした。
大人にしか許されていない嗜好品をたしなむことで大人になれると思ったのかもしれません。
しかし、それではまだ分からないこともあるのです。
それは、人との心の深い部分での触れ合い。
深く分かり合える、恋人のような大切な存在がいないことで大人になりきれていない気持ちなのでしょう。
誰かを大切にするということを経験すること。
人の心に触れるという経験が、自分を大人にしてくれると思っているのでしょう。
しかし、人生というのはそんなに簡単なものではないと心のどこかでは彼も分かっているはずです。
都会に馴染んだ自分
あれからもう1年が経って
都会の空気にも慣れてしまったな
出典: 19歳/作詞:横山優也 作曲:横山優也
親元を離れ、不安と期待が入り混じった気持ちで上京した主人公。
気付けばあの日からもう1年が経過していました。
1年の間に起こった様々な出来事が、彼の脳内を駆け巡っています。
地元から離れて、全く違う空気感の東京という大きな街にも馴染んできているようです。
東京という街の中で
東京という街
東京の夜空は寂しげだけど
優しく寄り添う様
19歳の僕を見て 18歳の僕が笑う
大人になれない いつもの僕がそこにいた
出典: 19歳/作詞:横山優也 作曲:横山優也
そんな東京という街がどんな街なのかもだんだんと分かってきたようです。
「東京は冷たい」というイメージが、よく地方出身者などからは聞かれます。
けれど、その中にある、東京ならではの暖かさのようなものにも気づいてきたのでしょう。
実際に暮らして、東京という街のことが分かってきたようです。
しかし、そんな風に住む場所を変えて、自分自身も変わった気になっても、中身は上京した時のまま。
お酒やタバコを覚えても、未だに大人になりきれない自分を自嘲しています。
大人になる方法
大人になれば分かるよ
どうやって大人になるの?
出典: 19歳/作詞:横山優也 作曲:横山優也
1行目の言葉は、周りの大人から以前に言われた言葉なのでしょう。
大人ならではの苦労や楽しみが、まだ分からずにいる主人公。
2行目には20歳手前の、大人の世界に足を踏み入れようとしている青年の悩みが表れています。
「19歳」でありながら、1年前と何も変わらない自分という存在にどこか焦りを感じているのでしょう。
早く大人になりたいと思えば思うほど、大人という存在からは遠ざかっていきます。
青春時代ならではの焦燥感を感じられる言葉です。
大人にはなれない
大人になりたい
パチンコに行っても酒を飲んでも
何も変わらないよ
出典: 19歳/作詞:横山優也 作曲:横山優也
大人の趣味ともいえるお酒やタバコといったものを経験してみても、大人にはなれない。
そのことに気づいた主人公は、どうすれば大人に仲間入りできるのか考えているのでしょう。
20歳を目前に控えた年齢で、目の前の将来への不安もあるのかもしれません。
自分が子供のままであることに、大きな焦りを感じているのでしょう。
彼は大人がやっていることを真似してみても、大人になれないことに「19歳」で気がついたのです。
生きる理由を求めて
東京
息苦しいこの場所で生きていく理由を探す
出典: 19歳/作詞:横山優也 作曲:横山優也
東京という大きな街。
沢山の人が地方から集まり、外国からも人が集う街です。
毎日朝の電車は満員で、外を歩けば人がいる。
寂しさはないけれど、その分息苦しさを感じてしまう瞬間もあるでしょう。
そんな場所で、主人公は自分が「どうして生きているのか」の意味を探しています。
人生というものの意味を求めるには「19歳」という年齢は若すぎるでしょう。
しかしながら、そんな大きな問いに対して自問自答を積み重ねることで、大人の階段を上っているのです。
大人の真似事をしても、大人には近づけない。
彼にもそれが分かり始めているのかもしれません。
1年前の自分と比較することよりも、未来に向けて歩んでいくこと。
自暴自棄な毎日を過ごすのではなく、地に足を付けて進んでいくことで人は大人になっていくのです。