アルバム【FEEL】の1曲目

心で感じて

【安室奈美恵/Alive】歌詞を和訳して徹底解釈!今宵、キスで蘇る素敵な世界へあなたを誘う…!の画像

『Alive』は、2013年に発売されたアルバム【FEEL】の第1曲目に収録されていました。

【FEEL】は安室奈美恵さん名義では11枚目のアルバムです。

全編英語の歌詞の曲が半数を占めていますが、『Alive』もそのひとつ。

デビューからいつの時代も輝き続け、進化し続ける姿を見せてくれた安室さん。

【FEEL】もこのときの安室さんが凝縮された一枚に仕上がっていました。

アルバムのジャケット写真は、特典などにより異なり3パターンありました。

それぞれが「口を塞ぎ、耳を塞ぎ、目を塞いだ」という3つの写真。

これは「心で感じてほしい」という安室奈美恵さんの想いを反映した形でした。

しかもカラーではなく、モノクロの写真。

情報量がより削られ選別された中で、より洗練されたように感じられました。

安室さんの自然の美しさが鮮明に浮かび上がり、まさに引き込まれてしまいます。

ため息が出るほどの美しさです。

世界的なソングライターたちによる楽曲

作詞作曲を手掛けたうちの一人は、Anthony Maniscalco。

Hook n Slingというステージネームの方がよく知られています。

オーストラリア人ですが、北米やヨーロッパでも活躍している世界的なDJでありソングライターです。

またErica Nuriは、"The Writing Camp"というアメリカのソングライター集団のメンバー

ビヨンセやリアーナに楽曲を提供するなど、R&Bやダンスミュージックにおいて幅広く活躍している集団です。

Eirca Nuri自身が手掛けた作品も、グラミー賞にノミネートされたことがあります。

『Alive』もそんな大物たちの手により、濃厚な作品に仕上がっています。

白黒のMV

静まり返った感覚

MVもモノクロでした。このMVの中では、アルバム【FEEL】のジャケット写真が使われています。

【FEEL】のリリース予告としても流されていました。

MVの中では、安室さんの写真が街中のいたるところに掲げられています。

看板や高層ビルの上、階段などなど、たくさんの安室さんがいて、街が安室さんにジャックされたようです。

一方、色彩的にはカラーではなく歌は流れているというのに、しーんと静まり返った雰囲気に包まれます。

釘付けになってしまうMVでした。

クリエイティブ集団「IKIOI」によるMVでしたが、センスの固まりのようなMVでとても素敵です。

リズムや曲調も大人びていて、少しとげのあるような刺さるような感覚に襲われます。

『Alive』とは”生きている”という意味です。

雰囲気を楽しむだけでも十分に満足な一曲ですが、歌詞の内容を知ると、また少し違ってきます。

いったい、どんな内容なのでしょうか。和訳とともにチェックしてみましょう。

情景が目に浮かぶ幻想的な曲

月にかかる影

Shadows on the moon
Mirror on my heart
Shattered broken glass
Cut my world apart

出典: Alive/作詞:Anthony Maniscalco,Erika Nuri,Marc Malouf,Shridhar Solanki 作曲:Anthony Maniscalco,Erika Nuri,Marc Malouf,Shridhar Solanki

まず1番の歌詞をみてみましょう。

”月にかかる影。

私の心を映している。

粉々に砕かれたガラス。

私の世界を切り離す”

詩的な表現で、哀しく切ない気持ちを描いています。

「悲しい」と言葉にせずとも、重い心を抱えた主人公の心が見えてくるようです。

月は美しいけれども、雲がかかって陰ると、急に辺りは真っ暗になります。

少しかかっている雲は月の美しさを増すけれど、物悲しい雰囲気が漂ってきます。

それは私の心にかかった影のように・・・。

そしてガラスのように砕かれたのは、きっと彼女の心なのでしょう。

恋人への想いがゆえに、心が傷付いているのでしょうか。

とても幻想的で、淋しいけれど、そこに美しさを感じずにはいられません。

灰色の世界

Colour in the grey
See the night burn through
Lying here awake
Waiting up for you

出典: Alive/作詞:Anthony Maniscalco,Erika Nuri,Marc Malouf,Shridhar Solanki 作曲:Anthony Maniscalco,Erika Nuri,Marc Malouf,Shridhar Solanki

2番の歌詞も同じく物悲しさに満ちています。

”灰色に染まった世界の色。

私はただ横たわって、夜が燃えるように明けていくのを見ているわ。

あなたを待って起きているわ”

夜の間、ずっとあなただけのことを想っているという彼女の気持ちが表現されています。

あなたのいない世界は灰色。あなたに会えない夜は灰色。

今、私のいる世界は灰色だけれど、あなたが来ればきっとみるみるうちに色づいていくのではないか。

そんな希望が見えてきます。

あなたに来てほしいー。そう祈っているのでしょう。

いえ、きっと来てくれるでしょう?という彼女の痛いほどの想いがひしひしと伝わってきます。