カラオケ番組からのデビュー
カラオケバトルで完全優勝
林部智史のメジャーデビューは2016年になります。
デビュー曲は彼自身の作詞による「あいたい」.
2016年の2月24日にリリースされました。
この曲はオリコン最高11位を記録しています。
そしてこの曲で、林部智史は第58回日本レコード大賞の新人賞を受賞します。
この「あいたい」は現在でもオリコンチャートに入ることがあるロングセラー。
華々しいデビューではありましたが、そこに至るまでの道のりは彼にとっては、決してなだらかなものではありませんでした。
彼が、デビューのきっかけをつかんだのはテレビ東京系「THEカラオケ★バトル」という番組です。
この番組は、カラオケマシンがたたき出した得点によって優勝者を決めるというユニークな番組。
審査員を使わないことで、アナログな視点を排除し、第一興商提供のカラオケマシンという精密機器の採点のみで判断するというシビアな番組なんですね。
よって、出演者は、歌手、声優、ミュージカル俳優など多岐にわたり、アマチュアの入る余地はほとんどなくなっています。
出場者は誰もが歌に自信のあるメンバーですから、まさにハイレベルな戦い。
その並み居る実力者たちの中で、彼、林部智史は2015年に堂々の初優勝を果たしています。
その後も優勝を重ねるのですが、なかなかメジャーデビューの機会は訪れず、結局、2016年に年間完全優勝を記録してからのデビューとなりました。
歌手を目指すまでの紆余曲折
スポーツ一家に生まれて
林部智史は、1988年5月7日生まれで、山形県新庄市出身。
スポーツ一家に生まれた彼は、小学校、中学校とバスケットボールの県選抜メンバーに選ばれ、一時は、バスケットボールで暮らしていければという考えもあったといいます。
一方で、幼い頃から歌手への憧れもあり、小学校ですでにビブラートを上手く使いこなせていたとも。
しかし、高校ではバスケット強豪校への入学がかなわず、1浪して県立山形南高校へ進学します。
1浪しての高校進学は、今の時代では珍しいこと。でもその努力の甲斐もあり、高校では国体選手になるという結果を残しています。
しかし、その高校でバスケットの才能への限界を感じてしまったともいいます。
全国に行けばさらに上の選手がいるわけで、その後、彼は卒業後には看護学校へ進み、看護師として働くことになりました。
そして看護の仕事に就くものの、その過酷な仕事で心のバランスを崩し、うつ病を発症。
以後は、居酒屋やリゾートホテルでバイトをし、放浪する生活を続けていました。
ある時、バイト先で知り合った友人に「その声で歌手を目指さないのはおかしい」と言われたのがきっかけで、歌手を志すことになります。
友人の言葉が無ければ、その後どうなったかはわかりませんが、溢れる才能は、やはり隠すことは出来ないという事だったのでしょうね。
スペシャル盤とデラックス盤
10月28日にスペシャル盤とデラックス盤発売
「だきしめたい」は林部智史の3枚目のシングル。
2017年6月28日にリリースされ、オリコン最高10位を記録しています。
そして10月28日には、この「だきしめたい」のスペシャル盤とデラックス盤を同時リリース。
スペシャル盤には、坂本九の大ヒット曲「見上げてごらん夜の星を」を収録しています。
この名曲は、DEEN、ゆずなどのビッグアーティストにもカバーされていますね。
また「だきしめたい」のピアノ・バージョンも入っていて、静かなこの曲をさらにしんみり、じっくりと聴かせてくれます。
一方のデラックス盤では、ライブDVDがついています。
これはBunkamuraオーチャードホールで行われたライブを収録したものです。
彼の歌声は「美しい」と単純に言い切ってしまうのがもったいないくらいの透明な声。
このライブでは、さらにその魅力が輝いています。
スタジオでの収録とライブでのパフォーマンスの差を演出で埋めるアーティストも多いのですが、彼の場合は、純粋に歌で勝負するアーティスト。
本物の歌手とはこういうものなのだということを改めて教えてくれます。
別れた恋人への想い
胸の中のアナタへ
「だきしめたい」というタイトルは、今までいろいろなアーティストが使っていますね。
明るい歌もあれば、ちょっと切ない歌もあります。
抱きしめるというアクションをどういう切り口で示すかはそのアーティストの感性次第。
林部智史の「だきしめたい」は悲しく切ない別れの歌になっています。
別れた恋人の温もりや息遣いを忘れられずにいる、という想いを切なく歌い上げている歌なんです。
こういう切なさを歌い上げるには、あまりにもピッタリなのが彼の透明感溢れる声。
「だきしめたい、でもアナタはここにはもういない」そんな想いを切々と歌い上げています。
ではMVをお届けします。
寄せては返す波
あなたのいないこの街は ぬくもりなく流れていく
返しては寄せる波
やりきれない思いに ないてみても
出典: https://www.uta-net.com/song/231854/
あなたのいない街を、寄せては返す「波」という言葉を使って表現しています。
アルバイトで全国を放浪した彼。日本各地を転々としたそうです。
実際に波の見える海の街にいたこともあるのかもしれませんね。
この「波」は現実の「波」なのか、それとも未練に揺らいで落ち着かせることの出来ない「想い」なのか。
そしてサビではこう続きます。
だきしめたい だきしめたい
心から愛した
だきしめたい だきしめたい
胸の中のあなたを
愛しさを今でも忘れられなくて
出典: https://www.uta-net.com/song/231854/