ギターソロがうなる!美しいバラード
ヒットマンといえば殺し屋・暗殺者。
映画「007」に登場するジェームズ・ボンドのような存在のことですね。
そんな物騒なタイトルがつけられたKing Gnu(キングヌー)の「Hitman」。
アルバム「Sympa」(シンパ)の収録曲で、ANAのCMソングとしても起用されました。
他の追随を許さないほど圧倒的な音楽的才能を魅せつけるKing Gnu。
豊富な音楽的要素を濃密に詰め込み、曲ごとに異なるアイデアが放たれる様はまさに圧巻。
簡単にいうとレベチ(レベルが違う)!中身が濃い!振り幅が広い!という話です。
もっと省略すると神!神曲だらけ!と語彙力を失ってしまいますので、この辺で…。
「Hitman」はこんな曲!
King Gnuの略称はヌー。
「どの曲が好き?」と訊かれたら「全曲」と即答するヌーファンも多いでしょう。
そんなシンパ(共鳴者)も激増し、バンドのコンセプトどおり、ヌーの群れは着々と巨大化していますが…。
逆にほとんど「白日」しか知らない…というヌー初心者さんもまだまわりにいるかもしれません。
「Hitman」は、「白日」の次に聴きたいヌーの曲として布教するのに最適といえるでしょう。
収録アルバムの「Sympa」はヌーとしては2枚目のリリースですが、メジャーデビュー作。
そのためインディーズの1stAL「Tokyo Rendez-Vous」より全体的にポップで、J-POP好きにも刺さります。
「Hitman」の音楽性
「Sympa」の中でも「Hitman」は美しくエモーショナルなミドルテンポのバラード。
全体的に音数(トラック)が非常に多いヌーの中では、比較的シンプルなナンバーです。
美しいボーカル&鍵盤&コーラスワーク、クイーンのブライアン・メイを彷彿とさせるギターソロ…。
そこに骨太かつグルーヴィーな(ノリがいい)ベース&ドラムのリズム隊を掛け算するという離れ業。
J-POP好きもロック好きもジャズ好きもうならせるキラーチューンです。
ただ「なぜヒットマンというタイトルなの?」「本当に弾を撃つの?」と疑問に思う人もいるはず。
この弾にこめられた謎を解くべく、常田大希(つねた だいき)さんの書いた歌詞について解説していきます。
目を閉じても未来は見える?
「Hitman」は基本的にJ-POPの王道ともいえる「Aメロ→Bメロ→サビ(Cメロ)」という構成になっています。
- イントロ(コーラスA)
- 1番:Aメロ・Bメロ・コーラスB・Cメロ
- 間奏(コーラスA)
- 2番:Aメロ・Bメロ・コーラスB・Cメロ×2
- 間奏
- 3番:Dメロ・ギターソロ(コーラスA)・Cメロ
ただ2番でサビを2回繰り返したり、随所に特徴的な鍵盤のリフとコーラスワークが散りばめられたり…。
アウトロはなくボーカルで終わるなど変化に富んでいるため、一般的に聴きやすいうえに音楽的な遊び心も満載。
気になるコーラス部分についても触れておきましょう。
コーラス
Sky high, sky high
Sunshine, sunshine
出典: Hitman/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta
コーラス部分は歌詞としては記載されていませんので、耳コピです。
ざっくり2種類あるコーラスですが、パターンAは「高い空、太陽の光」という意味。
イントロでは先に「サンシャイン」が1回つけ加えられています。
It could be sun shining, shining, shining, shine
It could be sun shining, shining, shining, shine
出典: Hitman/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta
くもり空?
吹き抜けてるはずの未来は?
子供の頃に見た夢は?
いつの間にこんなにも
曇って見えるんだろう
出典: Hitman/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta
コーラスの天高く晴れた空とは違い、くもり空のイメージから始まります。
ただ、これは主人公の心象風景。
実際の天気の話ではなく、大人になって心がどんよりくもるようになった…ということ。
とくに未来について考えるときに…。
昔は太陽のように輝く明るい未来を想像していたのに、歳を重ねて未来に夢を抱けなくなったのでしょう。