「かもめが翔んだ日」の歌詞の中に地域を限定するものは登場しないが、渡辺自身は、出身地である神奈川県横須賀市の観音崎をイメージすることが多いという。また横須賀市内にある京浜急行電鉄堀ノ内駅ではこの曲が電車接近メロディに使われている。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/かもめが翔んだ日
駅メロを耳にして、テンション上げてそのままかもめが翔ぶように駆け込むのは危険です。
あわてないで、もう1本電車を待って聞き直しましょう。
そして港があるエキゾチックな町で展開する恋のメロディーに浸ってください。
私より港がイイなんて…
港とかもめはセットです
港を愛せる男に限り 悪い男はいないよなんて
私の心をつかんだままで 別れになるとは思わなかった
あなたが本気で愛したものは 絵になる港の景色だけ
潮の香りが苦しいの ああ あなたの香りよ
かもめが翔んだ かもめが翔んだ
あなたは一人で生きられるのね
出典: かもめが翔んだ日/作詞:伊藤アキラ 作曲:渡辺真知子
作詞は渡辺真知子さん本人ではありませんが、何らかの事情聴取(?)を受けてこの歌詞が作られたことを思わせます。
自分よりも当たり前のように港が好きな相手は、友人知人が多い地元愛に溢れた人なのでしょう。
友達が多いのは悪いことではないけれど、自分よりも友達と過ごす時間を最優先するあなた。
ひたすら待つだけの私。待ち続けている間に、心は他の誰かの所に行ってしまいました。
残されたのはいつも会っていた港の香り。あなたとの思い出の香りが私を苦しめます。
かもめが翔ぶ姿にあなたを重ね合わせます。群れを作らずにただ一羽で翔ぶかもめ。
私には独りで生きていく決意をする時が、来たようです。
この2枚目のシングル「かもめが翔んだ日」では海を香りで描きました。
涙でにじむ海の青
大物ミュージシャンお墨付き
1978年8月にリリースされた3枚目のシングルのタイトルは「ブルー」。
デビュー曲の「迷い道」・印象強い2枚目の「かもめが翔んだ日」と比較すると少し地味な存在かもしれません。
でも大物ミュージシャンがこの歌詞の素晴らしさを見抜いていました。
渡辺はこの曲について「3曲目で初めて”自由に作っていいよ”といわれて思うがままに作った曲なので、(自分にとって)とても可愛い曲」。松任谷由実も、雑誌の渡辺との対談で、「歌詞がいつも今一つ」という旨の厳しい指摘をしながらも、「ブルー」に関しては手放しで賞賛していた。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ブルー_(渡辺真知子の曲)
そこに海が無くても感じます
ブルーな気持ちは、憂鬱・どんより・暗く重い、などメンタルを表します。
タイトルを「ブルー」とシンプルにしたことで、その後ろにある景色や、そこに居た人の心が浮かび上がります。
あなたは優しい目 だけど とてもブルー
凍りついてしまうほど
抱きしめて だけど とてもブルー
あの娘のかわりとわかっているから
呼び出したのに 黙ったままネ
気になるけど 知らぬふり
とりとめのない心 人はどういやしているの
あなたと私いつも 背中合わせのブルー
出典: ブルー/作詞:渡辺真知子 作曲:渡辺真知子
好きな人と会っているけれどそれは片思いとも呼べないツライ状態。
他に好きな人ができたから私の目の前からは消えたはずなのに、呼び出されてまた会っている。
傍から見れば、呼び出す方も悪いけれど、呼び出されてのこのこ出かける方がもっと悪いと判定されるケース。
会っている間も笑顔になれる訳もなく、ただ無駄に時間だけが過ぎていきます。
私を捨てて好きになったあの娘と上手くいっていない…、そんな想像も空しいだけ。
心が揺れ動く様子を描写した歌詞の背景に海を感じます。
あなたが私をもう一度好きになるなんて絶対にないことを示す、暗い海が外に出れば望めます。
青い海を見ながら過ごした時間を懐かしむのは私だけ。
独りになるのが恐い2人だけど、目を合わせることはもうありません。
背中が向き合えば視線は右と左に分かれます。海の暗さそのままに2人の時間が流れます。
失恋ソングの名手♪そして今は?
恋愛成就を願いつつも消極的になりがちな女子ではなく、ダメもとでもいいから突き進む恋。
そこで失敗をしてもまた立ち上がる失恋ソングは渡辺真知子さんの十八番。
背中を押すというより、励ましながら一緒に歩いてくれる仲間のように歌ってくれます。
「かもめが翔んだ日」から40年、渡辺真知子さんは今でも精力的に音楽活動を続けています。
もちろんコンサートも予定されていますよ。