惜しまれつつ「完結」したチャットモンチー

2000年に結成され、2005年にメジャーデビューを果たしたチャットモンチー

素晴らしい楽曲アイディア溢れる音楽性は多くのファンを魅了してきました。

音楽シーンで唯一無二の存在であり、愛されるバンドだったと思います。

そんな彼女らが2018年、活動を終了することを発表しました。

解散や活動休止ではなく「完結」という言葉でそれを表現しています。

これを聞いてチャットモンチーらしいなと思った方も多いかもしれませんね。

完結の理由についてはいろいろなところで語られているのでここでは詳しく書きません。

ひとつ挙げると、これからいろいろな音楽をやっていく中でチャットモンチーという名前を終わらせた方がいいと思った、というのですね。

今までもチャットモンチーはバンドの姿だけでなくサウンドを大きく変えてきました

ドラムの高橋久美子が脱退した時も、二人だけでステージに立って全く新しいサウンドを作り出しました。

ピンチをチャンスに変え、創意工夫でハードルを乗り越え、殻を破ってきたのです。

チャットモンチーを聞いてきたファンならわかると思います。

この「完結」はこれ以上もうできない、というネガティブなものではないということを。

これから先また新しい道に進むために必要なことだったのだと。

と、思わずファンの立場で熱くなってしまいました。

それだけ、チャットモンチーには聞くものを熱くする魅力があるのです。

豪華なトリビュート盤!

【CHATMONCHY Tribute ~My CHATMONCHY~/チャットモンチー】全曲解説!の画像

チャットモンチーに魅せられたのは一般のリスナーやファンだけではありません。

チャットモンチーは同業のアーティストたちからもリスペクトされ、愛されていました

「完結」が公式に発表された後、トリビュートアルバムのリリースが発表となりました。

チャットモンチーにとって初のトリビュートアルバムです。

トリビュートアルバムというのは、そのアーティストの曲を様々なアーティストがカバーした曲を集めたものです。

チャットモンチーのトリビュートアルバムにも、多くのアーティストが参加しています。

意外な名前もありますし、この人がこの曲を?という驚きもあります。

この人のこの曲は絶対にピッタリでしょう!という期待にも胸が膨らみます。

この記事では『CHATMONCHY Tribute ~My CHATMONCHY』に収録された全16曲を徹底解説します!

全曲解説(前編)

1.「ハナノユメ」/忘れらんねえよ

【CHATMONCHY Tribute ~My CHATMONCHY~/チャットモンチー】全曲解説!の画像

2005年にチャットモンチーはメジャーデビューとなるミニアルバム『chatmonchy has come』をリリースしました。

ナノユメ」はその1曲目に収録されていた曲です。

このトリビュートアルバムもこの曲で始まります。

そして、忘れらんねえよのボーカル・柴田隆浩はこの「ハナノユメ」を聞いてバンドを組むことを決意したそうです。

熱いバンドが熱い想いを込めたカバーなのです。

2.「Make Up! Make Up!」/CHAI

【CHATMONCHY Tribute ~My CHATMONCHY~/チャットモンチー】全曲解説!の画像

2007年リリースの2ndアルバム『生命力』に収録された曲です。

CHAIは2016年にデビューしたばかりの4人組ガールズバンド

アメリカツアーも行うなど、海外でも評価されている有望株です。

「かわいい」をひとつのキーワードにしているCHAIらしい選曲で、曲の持つ魅力をさらに引き出している印象です。

3.「シャングリラ」/ねごと

【CHATMONCHY Tribute ~My CHATMONCHY~/チャットモンチー】全曲解説!の画像

言うまでもなく、チャットモンチーの代表曲のひとつです。

2006年リリースの3枚目のシングルで、オリコン6位を記録した大ヒット曲。

普通、トリビュートアルバムではあまりにも有名な曲やイメージが定着している曲を演奏するのは気後れするものです。

今回、ねごとは見事に自分たちのサウンドと融合させていると思います。

チャットモンチーにとっては同じレコード会社のガールズバンドで後輩ともいえる存在。

代表曲を彼女らに演奏してもらったのは嬉しかったのではないでしょうか。

ねごとについてはこちらの記事が詳しいです。ぜひ読んでみてください。

「閃光ライオット」での入賞以降、日本の若手ガールズバンドの代表格として活躍してきたねごと。若い世代の女性を中心に人気を集め、2017年にはいよいよ結成10周年を迎えます。そんなねごとの人気の秘密・その音楽性に迫ります。

4.「初日の出」/People In The Box

【CHATMONCHY Tribute ~My CHATMONCHY~/チャットモンチー】全曲解説!の画像

2012年リリースの5thアルバム『変身』に収録された曲です。

シングルでもないですし、割と地味目の選曲だと思います。

この選曲を見て橋本絵莉子は「この曲を選んだ時点でヤバい」と語っています。

途中の間奏で「世界が終わる夜に」のフレーズを挿入してくるあたり、センスが感じられます。

People In The Boxは同世代で、かつてチャットモンチーと対バンしたこともある仲。

そういう思いも込められているのだと思います。

People In The Boxおすすめ曲記事がありますので、こちらも読んでみてください。

デビュー以降、その独特の詞ときらびやかなサウンド、暖かいメロディで確固たる世界観を築き上げているPeople In The Box。その楽曲はどこか不思議で少し怪しくて、聴いていると非日常的な絵本の景色の中に入り込んだような心地がします。そんな彼らの唯一無二の世界への入り口になる6曲を紹介します。