「ガールズバンド」の域を超えたチャットモンチー
2018年7月に多くのファンに惜しまれながら「完結」したチャットモンチー。
2000年に結成、2005年にメジャーデビュー、2006年にヒット作「シャングリラ」の発売。
彼女たちは18年という長い歳月を一気に駆け抜けました。
ガールズバンドとしての域はとうに超え、チャットモンチー独自の世界を築き上げました。
彼女たちはこの世界に多くの名曲を遺しました。
「染まるよ」
チャットモンチー+亀田誠治の強力タッグ!
今回取り上げるのは「染まるよ」です。
この曲は2008年、9枚目のシングルとして発売されました。
吉高由里子さんが主演したドラマ「トンスラ」の主題歌でもあります。
プロデューサーとして東京事変のベーシストとしても有名な亀田誠治さんを迎えた1曲です。
そんな強力タッグのもと、どのような楽曲が制作されたのでしょうか。
「煙」をモチーフにしたMVにも注目!
YouTubeのオフィシャルチャンネルには、MVが公開されています。
全編漆黒の背景に包まれた渋いMVです。
そして、この曲のテーマとなっている「煙」がMV全体を覆っています。
楽器から、靴から、ラジカセから大量に立ち込める煙。
その煙が3人の体を包み込むように広がっていきます。
そして、映像は全編にわたってスローモーション。
歌詞に注目!
今回は「染まるよ」の歌詞を徹底考察したいと思います。
歌詞で描かれている女性にはどんな過去があるのか。
そして、MVにも登場した「煙」は歌詞とどんな関係があるのか。
そもそも「煙」は何を意味しているのか。
それらのテーマを柱としながら解釈していきましょう!
後味の悪い別れ…
煙に巻かれて消えた彼
火が消えたから もうだめだ
魔法は解けてしまう
あなたは煙に巻かれて 後味サイテイ
出典: 染まるよ/作詞:福岡晃子 作曲:橋本絵莉子
この歌詞は2番の冒頭の歌詞です。
冒頭から読むのではなく、途中から抜き出してみました。
この部分を読むと、歌詞で描かれている女性がどんな状況にいるかがわかります。
魔法が解ける、というのはまるで「シンデレラ」のような表現です。
もしくは火が消えるという表現と通じて「マッチ売りの少女」を連想するかもしれません。
火が消えて、魔法が解けた。
そして、「あなた」が煙と共にどこかに消えてしまったのです。
後味が悪い、という部分からも良い別れ方ではなかったことも伺えます。
煙に巻かれる、という表現からは「突然いなくなってしまった」というニュアンスも読み取れます。
もしくは「なぜ消えてしまったのかがわからない」というようなニュアンスと解釈できます。
いずれにしても彼女にとって不本意な形で「あなた」は消えてしまったのでしょう。
夜道を彷徨う
歩き慣れてない夜道を ふらりと歩きたくなって
蛍光灯に照らされたら ここだけ無理してるみたいだ
大人だから一度くらい 煙草を吸ってみたくなって
月明かりに照らされたら 悪い事してるみたいだ
出典: 染まるよ/作詞:福岡晃子 作曲:橋本絵莉子