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ここ＝心。

思い出にあるその選手が見せた勇気を心のお守りにしながら、挫折や後悔を乗り越えて、遠かった道のりを歩いたからこそ、今の自分は同じフィールドにやってきたのです。

あの頃の景色と同じまま、そのステージは自分を待っていました。

雲の上のアスリートが集う、スポーツの頂点に君臨するオリンピックというステージ。

ここに来るために自分は、孤独を隠しながら時に涙し、時に強がって来ました。

脱落していく仲間たちが届かなかったレベルを、「自分ならできるはず」と、自分の可能性だけをひたむきに信じて、高く高く夢を描き続けてきたのです。

「心・技・体」という言葉は、武道から生まれました。

精神力、技術力、体力、そのいずれかのみがエリート級でも、最高の結果を引き出すことは難しいと言います。

アスリートにとって「パフォーマンスの高さ」を左右するのは、この３つのバランスです。

爆発的な身体能力を支えるのは、同じくらい強靭な精神力。

あの日、心に秘めた勇気が今、鍛え上げた肉体を支えています。

限界の向こうにある戦いのステージで、勝利の雄たけびを上げるために、全ての始まりに見たあの選手の表彰台を再現するために、ここまでやってきたのです。

2番の歌詞で描かれるのは、記録を更新し続ける枷を背負った、トップアスリートが想うオリンピックです。

オリンピックで頂点を極めた瞬間、そのアスリートは永遠に勝ち続けなければならない宿命を架せられます。

金メダル以上の勲章はなく、トップギアを維持できないものは、そのまま引退を迫られることもあります。

さらに、新しいトレーニング法を使って鍛え上げられた新世代の若手アスリートが、とてつもないポテンシャルを秘めながら背中を追ってくるプレッシャーにもまた耐えねばなりません。

それでも、誰もが目指す星だからこそ、トップアスリートはプライドを賭けて、逃げずに堂々と歩き続けようと誓います。

その姿を観た子どもたちが、かつての幼い自分のように背中を追ってくることを願いながら、自分の可能性を信じて進むのです。

あの日見た選手の勇気と栄光が心に伝わり、自分はトップに立てたのです。

息を呑んで自分を見つめる未来のアスリートに、その心が引き継がれるために、自分が走り続けたという証＝「メダル」をメッセージとして未来に持ち帰ることを誓います。

自分ひとりのためではないこの「証」を裏打ちするのは、泥臭い等身大の自分自身が戦う姿。

背負った思いを力にして、静まり返るフィールドを歓喜と感動に満たすことを確信しながら、未来のアスリートにこの「証」を託すのです。

来る2020年、いよいよ東京オリンピックが開催されます。前回のオリンピックで選手たちが獲ったメダルの輝きが、選ばれしアスリートたちの勇気へ変わるように、嵐の「証」を聴きながら、戦う未来のメダリストたちを応援しましょう。