「割れ物」になった僕の心も抱えて前へ進んでいけるはず
夢のはじまりまだ少し甘い味です
割れ物は手に持って運べばいいでしょう
古い星の光 僕達を照らします
世界中何も無かったそれ以外は
出典: スピカ/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
まだ「君」と過ごした幸せ時間の名残が残る「僕」が見る夢は「まだ少し甘い味」で、それが余計に「僕」の心を締め付けます。
しかし、「割れ物」も気をつければ「手に持って運べ」るように、「割れ物」のような「僕」の心も持ったまま前に進むことはできると言っているのです。
そして、そのあとの歌詞も同じような意味で、「星の光」しか「世界中何も無かった」頃は、人々は夜も明かりをつけずに暮らせていたのだから、「君」を失って明かりを無くしたような僕の心でも、「星の光」があるから暮らしてはいけるということでしょう。
ここで「僕」と言わず「僕達」と言っているのは「僕」と「君」のことではなく、「僕」と同じで「はぐれ猿」のように過ごしている孤独な人々のことでしょう。
「心の切れはし」は「君」への恋心の最後の一片
南へ向かう風 流れる雲に
心の切れはしを 託したならば 彼方へ…
出典: スピカ/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
歌詞の最初では「君」ばかりを見ていた「僕」は、その後失恋し、かなり傷ついたものの、視野を広げたことで前向きになっていきます。
そして、最後に「僕」の中にわずかに残っていた「心の切れはし」つまり、「君」への恋心も「南へ向かう風」と「流れる雲」に「託し」、「彼方へ」と捨て去ったのでした。
なぜ「スピカ」という曲名なのか?
スピッツの楽曲の中には曲名と曲の内容を結びつけるのが難しいものも多いのですが、「スピカ」の場合は「古い星の光 僕達を照らします」という歌詞から来ているのではないかと思います。
好きな人と居られる「幸せ」が別れによって途切れてしまい、人生の道のりが一気に暗くなったように感じても、「星の光」があれば前に進んでいける。
そして、その先にはまた「幸せ」が「途切れながらも続く」というのがこの曲のメッセージで、その「星の光」がおとめ座の最も明るい恒星である「スピカ」ということです。
もしかしたら、スピカは春の空に浮かぶ星なので、曲中に出てくる「やがて来る大好きな季節」が春のことで、大好きな季節へと進んでいく前向きな心を照らす希望の光なのかもしれません。
そう考えると両A面シングルとして収録されたもう一曲が「楓」で、秋の別れの歌だったので、「スピカ」が失恋をした冬から希望の春へと心が向かっていく歌でもおかしくないですよね。
今回の「スピカ」の歌詞解釈、いかがでしたか?
今度この曲を聴くときは、ぜひみなさんはどんな解釈をするか考えながら聴いてみてください。
また別の魅力が見えてくるかもしれませんよ。
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