「願い」
元はシングルのカップリング
Perfumeの「願い」は、元々2008年11月にリリースされた通算8枚目のシングル「Dream Fighter」のカップリングでした。
2008年、当時のPerfumeはまさに勢いに乗っていました。
4月にリリースしたアルバム『GAME』がオリコンアルバムチャートで1位を獲得。
7月にリリースしたシングル「love the world」で初のオリコンシングルチャート1位を獲得しています。
そして「Dream Fighter」がリリースされる直前の11月6日、7日には初の武道館公演2Daysを成功させています。
「ポリリズム」のヒットから始まったPerfumeのサクセスストーリーが、最初のピークを迎えたのがこの時期だったと言えるでしょう。
「Dream Fighter」は成功を手にした彼女らが、同じように夢を見る人の背中を押す応援歌でした。
疾走感のあるアッパーな曲調で、3人のボーカルもそれまでより力強く聞こえます。
そんな「Dream Fighter」のカップリングとしてひっそりと収録されていた「願い」ですが、実はファンの人気は非常に高いのです。
発表当時から、歌詞の内容やその意味についてネットを中心にいろいろな意見が出てきました。
ファンにそこまで「語らせたい」と思うこの曲の持つ意味とは一体どのようなものなのか、この記事では歌詞の解説とともに探っていきたいと思います。
収録アルバム『⊿』
願い」は2009年7月にリリースされたPerfumeの2ndアルバム『⊿』に収録されました。
「Dream Fighter」のシングルカップリングとは違う、アルバムバージョンでの新アレンジになっています。
このアルバム『⊿』はタイトルが記号になっていますが、何と読むのでしょうか?
正解は、「トライアングル」と読みます。英語で「三角形」を意味する単語ですね。
Perfumeのメンバーが3人であることと、インディーズ時代のベスト『Perfume〜Complete Best〜』を含むと3枚目のアルバムとなることから付けられたそうです。
ちなみにこの記号は数学記号なのですが、パソコンなどで出すときは「でるた」と入力すると出てきます。豆知識として覚えておくと損はない?かもしれません。
本当は収録される予定ではなかった?
中田ヤスタカの心変わり
実はこの「願い」、当初はアルバム『⊿』に収録される予定ではなかったそうです。
しかし、中田ヤスタカが2009年5月10日に行われたPerfumeのライブ『エスキモー pino presents ディスコ!ディスコ!ディスコ!』を見たときに、「願い」の良さを再認識したのです。
アルバムのリリース予定日に間に合わせるには5月11日に完成していなければならなかったのですが、中田ヤスタカは一晩で新アレンジとミキシングを完成させたそうです。
もし中田ヤスタカが5月10日のライブを見ていなかったら、「願い」はアルバムに収録されることはなかったかもしれません。
その場合、「願い」がここまで注目されることもなかったかもしれませんし、この記事が書かれることもなかったでしょう(笑)。
ちょっとしたきっかけで物事は変わっていくのだと思います。それは運命と呼んでいいものなんじゃないかと思います。
歌詞について
一見ラブソングに見えますが…
「願い」はアルバム『⊿』を締めくくる曲で、緩やかなテンポとささやくような優しいボーカルが印象的です。
その歌詞はどのようなものなのでしょうか、見ていきましょう。
早く目が覚めた今日の 髪をなでる風
キミのことがぼんやりと 浮かぶ雲みたいだね
空が高くなってきて 肌寒い空気
キミは何を思うの? 一人考えていた
出典: 願い/作詞:中田ヤスタカ 作曲:中田ヤスタカ
「願い」の歌詞はラブソングのような書き出しから始まります。
風や空を見ていると、君のことを思い出してしまう。恋をしていると、ふとしたことで相手のことを考えてしまうものです。
何を見ても、何をしていてもあの人のことを考えてしまう。恋は盲目といいますが、恋に落ちてしまうと他のことが考えられなくなってしまうのです。
この最初のパートでは、そんな恋する乙女の姿が描かれている気がします。
重要なテーマを含むサビ
もうすこしの勇気があれば
叶うかもしれないよね
だけど もしかしたらって
距離は 平行線
一番大事な気持ちを
後回しにしてきたね
2つに分かれた自分
くっつけるための願い
出典: 願い/作詞:中田ヤスタカ 作曲:中田ヤスタカ