強がりは「優れた人間」と思わせるための行為ともいえます。

弱い部分などない完璧な人間でありたいのではないでしょうか?

過去に「落ちこぼれ」呼ばわりされたことへの強い劣等感が読み取れます。

だから弱みを見せるのが怖いのですね。

同じような心理を持つ人は案外多いのではないでしょうか?

現に筆者も、このような側面を持っています。

そもそも「自分は落ちこぼれなんだ」というマイナスイメージからのスタートだから辛いのだと思います。

これが無い状態での努力は苦痛を伴いません。

誰だって経験する

誰だって 君だって 僕だって
打ちのめされる夜がある
失って 傷ついて
途方に暮れ 夜明けを待ってる
片方で涙して
片方で作り笑い浮かべながら
落ち込んで
鼓舞(はげま)して 優しい手を
どこかで求めてるんだ その手を

出典: HELP/作詞:山村隆太 作曲:阪井一生

サビでは視野を広げるような発言が続きます。

「失敗して打ちのめされるのはあなただけじゃない」と呼びかけていますね。

自分だけ…という感覚は劣等感や孤独を加速させます

そして、「ボロボロの内面を隠して平気に振る舞うこと」も完全に否定してはいない印象です。

無理を重ねた先で苦痛を取り払ってくれるのは、誰かの優しい救いの手でしょう。

他人との関わりは心を癒すために重要なステップなのです。

このように説明してくれると、他人を頼ることも悪いことではないのかな、と思う事ができますね

それに、案外「強がり」というのは見抜かれています。

隠しきれていないのです。

なぜなら「同じような経験を乗り越えた経験のある人ほど、気持ちが痛いほど分かる」から…。

「今は時期じゃないのかな?」と察して遠目で見守っている人も、少なからずいるのだと思います。

僕たちがいるから

勇気を振り絞ったけど?

一人が勇気を奮って
助けてと叫びをあげた
大抵は野次馬か素通り
視線だけで憐(あわ)れんだ

出典: HELP/作詞:山村隆太 作曲:阪井一生

とある人が思い切ってSOSを大声で唱えました。

ですが、周囲は知らんぷり…助けるどころか野次を飛ばしたり同情しつつもスルーです。

失敗にも見えるこの描写には、どんな意味があるのでしょうか?

寄り添いたい

君と 寄り添いたい
分かち合いたい
喜びだけじゃなく
悲しみも

出典: HELP/作詞:山村隆太 作曲:阪井一生

これはflumpoolから先ほど大声で助けを求めた人物へのメッセージでしょう。

自分の今いる環境では受け止めてくれる人がいなかったとしても、flumpool楽曲を通して寄り添います

決して勇気ある行動を責めたり笑ったりはしません。

現実世界でどんなに困難を抱えていたとしても、一つ心の拠り所があれば力がみなぎるものです。

flumpoolはそんな心の拠り所になりたいと歌っているのではないでしょうか?

未来を変えるのは自分自身

「強がり」が導く未来

誰だって 君だって 僕だって
抱えてる失望がある
“言いたい”と“言えない”の天秤
激しく揺さぶらせ
心って 脆くって
そのくせ壊れるまで見栄っ張りで
強がった 裏でいつも
気付かれたくて
ひたすら悶えてる

出典: HELP/作詞:山村隆太 作曲:阪井一生

「強がり」が導く未来を歌詞で表現しているようです。

表面を取り繕うと一見上手くいっているように感じられます。

でも、内面はボロボロのままいつまでたっても回復しません。

そのうち限界を迎えて、取返しが付かなくなる危険を孕んでいるでしょう。

無理を重ねるよりも、傷つくたびに回復させる方が、心のためになるはずです。

これは効率面の話だけではありません。

辛いまま生きる時間が長いほど、人生そのものが悲しい色に染まってしまいます…。

歌詞を見ると「本当は気づいて助けてほしい」という切実な想いが読み取れますね。

自分から助けを求めることができないけど、誰かが気づいて歩み寄るのは待っているのです。

未来へ先延ばしする前に

後悔の声は届かない
未来(いつか)って過ぎてしまうから
伝えなくちゃ
“君が必要”って

出典: HELP/作詞:山村隆太 作曲:阪井一生

何かをためらったとき、未来へと先延ばしするという選択肢があります。

主人公の「強がり」は未来の自分へと苦痛を先延ばしにしている、とも考えられるでしょう。

今の自分には助けを求める勇気がない。

だからこそ、いつか未来の自分が解決することを頼りにしているのです。

でも、前述したように、この先延ばしは自らの首を絞めるような行為といえます。

今、助けを呼ぶべきです