ここからがこの曲の聴きどころ。

Bメロにして、サビにしてもおかしくないような味わいのあるメロディが展開されます。

抑揚的にはそこまで盛り上がっているわけではないのに、この沁みる感じは凄いですね。

そしてサビに入るとさらに高揚したメロディが繰り広げられます。

Bメロで充分聴き惚れていたのに、ここに来てこれはズルイ!

思わずウルっと来てしまいました。

悲しい物語が描かれるMVを紹介

「slow dance」のMVはストーリータッチになっています。

描かれるのはロボットに恋心を抱く一人の男。

彼はどうしてロボットに恋をしてしまったのでしょうか?

是非映像をご覧ください。胸が締め付けられるような真相が待っていますよ。

なんと男は死んでしまった恋人の姿をロボットに重ねていたのですね。

そして最後はそのロボットも壊れてしまうという悲しい結末。

この映像を作るにあたって渡辺健二はデビュー曲の「アイボリー」のMVとの繋がりを意識したといいます。

2つの共通点は「死にたい」という内容。

確かに死にたい気持ちになってもおかしくない物語が描かれていましたね。

そして途中「おかげさまで10周年」という言葉がさりげなく登場しています。

これには茶目っ気を感じさせられますね!

デビュー曲のことといい、あからさまでないにしろ10周年ということを意識はしていたのですね。

未熟な感情が切ない歌詞に迫る

「slow dance」の歌詞は、その曲に違わず切ないものになっています。

情けなくも思えるその内容は、きっと多くの人が感じたことのある気持ちです。

渡辺健二の言う「10代のときの感情」がまさに表現されているのではないでしょうか。

彼を急かすものは?

慣れきった表情の 冷たい朝が好き
混ざり合う靴と呼吸の
スピード加速して もつれた

出典: slow dance/作詞:渡辺健二 作曲:渡辺健二

いつもと変わらない朝だけど、どこかそわそわしている様子の主人公。

気持ちの焦りから呼吸と歩幅が合わず足がもつれてしまいます。

彼は一体何に急かされているのでしょうか。

離れていってしまった恋人

多分そうさ 気づいてたのね
いつかに過ぎた夢
あからさまな態度見せて
予言の様な空の色

出典: slow dance/作詞:渡辺健二 作曲:渡辺健二

ここは恋人との関係を歌っているのではないでしょうか。

彼女と過ごす時間はまさに夢のような時間でした。

しかしその態度から、彼女が離れていくことに薄々感づいていた主人公。

まるで予言していたかのように、彼女は本当に離れていってしまいました。

そんなに意地悪しないで
笑った薄い唇に
傾く陰を追いかけた
意味さえも 分からないままに

出典: slow dance/作詞:渡辺健二 作曲:渡辺健二

離れていくことは感づいていても、何故彼女が離れてしまったのかはわからなかったようですね。

何が原因かわからないのに去っていく彼女。

追い掛けて理由を問いただしたくもなります。

主人公が焦っていたのは、彼女を追ってのことだったのですね。

「slow dance」が意味するのは

頼りないほど 抱きしめてhold tight
重ねて幾つもの

頼りないくらい 不器用なslow dance
揺れる気持ち踊るの

出典: slow dance/作詞:渡辺健二 作曲:渡辺健二