本人による作詞作曲
山本彩の3rdシングル「追憶の光」は、切ない思いを綴った美しいバラードとなっています。
高い表現力と伸びやかな高音で、恋の終焉を見事に描いていました。
彼女自身によって作詞作曲された本楽曲は、まさに山本彩の多才さがわかる作品となっています。
切ない思いを抱えながらも、綺麗な言葉で終わらせたのはなぜなのか。
彼女の気持ちに焦点を当てながら、歌詞を見ていきます。
冬のデート
輝くイルミネーション
街には眩しい 飾りが溢れて
冷えた体をぎゅっと 温め合う人々
出典: 追憶の光/作詞:山本彩 作曲:山本彩
上記の歌詞から、恋人同士でデートに来ていることがわかります。
寒い時期にイルミネーションを見るというのは、冬の定番デートともいえるでしょう。
周囲には他のカップルも沢山いて、誰もが体を寄せ合いデートを楽しんでいるようです。
心の距離
ねぇ、あなたのその目にはどう映ってるの
興味もないかな
出典: 追憶の光/作詞:山本彩 作曲:山本彩
周囲の楽し気な様子に反して、「あなた」はあまり楽しんでいないように見えます。
そんな様子の「あなた」が気になりつつも、「楽しくない?」と質問もできません。
2行目の歌詞では、「あなた」の返答を心の中で勝手に決めつけてしまいました。
周りのカップルは身も心も距離が近いのに、「あなた」と主人公の間には距離があいているようです。
ずっと一緒にいたかった
あなたとの未来を 幾度思い描いた?
でも私だけ だったのそれは
私が居なくても あなたは生きていける
出典: 追憶の光/作詞:山本彩 作曲:山本彩
1行目の歌詞は「私」が「あなた」との結婚を夢見ていたことを意味しています。
ですが、もはやそれが叶わないことを「私」は理解していました。
「あなた」の心が自分から離れてしまっていることを、普段から肌で感じていたのでしょう。
これからの「あなた」の人生に、自分の居場所がないことを悟っていました。
「あなた」をこんなに好きなのは自分だけだった…と自虐的にもなっているようです。
3行目の歌詞は「あなた」なしでは生きられないと思っていることを、暗に示していました。
「私」にとっては「あなた」が世界の中心のようです。
時間は戻らない
順調に交際していた頃
少しの打算も 無く想い合えた
あの頃の二人が 羨ましいね
出典: 追憶の光/作詞:山本彩 作曲:山本彩
ここでいう「打算」とは、「私」の中にある「あなた」と結婚したいという気持ちを表していました。
好きな人と結婚したいという純粋な思いを、「打算」と言い切ってしまう「私」の心境に胸が痛みます。
最初は、ただ好きな気持ちだけで一緒にいられたのでしょう。
ですが次第に、「私」は結婚という物理的な証をほしがるようになりました。
昔は将来のことなど考えずに、ただ一緒にいたいという気持ちだけで繋がっていた2人。
そんな自分たちをただ懐かしく思ってしまいます。