勝ちにいく強い気持ちを歌った「NIPPON」
2014年6月11日にリリースされた14thシングル
「NIPPON」は2014年6月11日にリリースされました。
前作の「いろはにほへと/孤独のあかつき」から約1年ぶりとなるこの作品は、曲の出だしから聞く人を引き付けるパワーのある楽曲です。
椎名林檎の5thアルバム「日出処」にも収録
東京事変を解散後初のアルバムとなる「日出処」が2014年11月5日にリリースされました。
このアルバムにも「NIPPON」は12曲目に収録されています。
初回限定盤A・初回限定盤B・通常盤の3種類がリリースされており、初回限定盤には6曲のMVが収録されています。
モノクロでカッコいいMV
サッカーワルドカップを構想に入れながら作られた曲
NHKからの依頼を受けて取り組んだ作品
この「NIPPON」という曲は、FIFAワールドカップに流す曲として依頼を受けて作った楽曲です。
依頼時には「サッカー日本代表やなでしこジャパンを応援する曲を作ってほしい」というものだけでなく、サッカー日本代表のイメージカラーでもある「青」を歌詞に入れることなど具体的な要望も受けたそうです。
NHKからの依頼で、しかも4年に一度日本人が愛国心を持って応援するワールドカップのテーマ曲ということで並々ならぬ気合で楽曲制作を行ったそうです。
賛否両論を巻き起こした「NIPPON」
椎名林檎の歌詞はちょっと難解で解釈が必要なものも多くあります。
「NIPPON」も誰が聴いても同じ解釈になる様な曲ではなく、細かい部分では多様に受け取ることができます。
椎名林檎は日本独自の和という世界を大事にしており、日本の様式美を押し出した独特の世界観を持っていて魂を抉る様な歌詞がパワフルでカッコいいんですよね。
この「NIPPON」もその独特な表現の歌詞の内容を巡って賛否両論を引き起こしました。
例えば「この地球上で一番混じりけのない気高い青」というフレーズに対し、混じりけがない=純血を意味していて「純血主義を推奨している」というのです。
他にも特攻隊を思わせるフレーズがあるといい、右翼的な発言をしていると批判されました。
椎名林檎本人は言葉のチョイスをいろいろ言われても揚げ足を取られたとしか思えない。趣味嗜好の偏りや個々の美意識の違いだけの問題だと発言しています。
ワールドカップという大舞台のテーマソングだったために、普段あまり椎名林檎の曲を聴かない人たちの耳にも届くことになり、起こった賛否両論だったのかもしれませんね。
「NIPPON」の歌詞に迫る
万歳!万歳!日本晴れ 列島草いきれ 天晴
乾杯!乾杯!いざ出陣 我ら 時代の風雲児
さいはて目指して持ってきたものは唯一つ
この地球上でいちばん
混じり気の無い気高い青
何よりも熱く静かな炎さ
出典: NIPPON/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎
曲の出だしからサッカーの試合でよく聞くフォーンの音や、応援のリズムが響きテンションが上がってしまいますよね。
草いきれというのは、夏の暑い日に草むらからむっと立ち上る熱気のことです。
風雲児は時代に乗じて活躍するヒーローという意味なので、このワールドカップで勝ち残りヒーローとなる日本代表の選手たちを力強く送り出す気持ちが伝わりますね。
2014年のワールドカップはブラジルで行われており、日本の反対側にあります。さいはてというのは、ブラジルの地ということですね。
そして、「青」はサッカー日本代表のチームカラーなので選手のことです。「混じりけのない気高さ」は後悔とか不安とか負の気持ちが全く入っていない、堂々とした姿を現しているのではないでしょうか。
体中に満ち溢れている誇りをもって正々堂々と闘う気持ちが伝わり、どこのチームよりも心に持つ熱い闘争心が見事に表現されていますね。
鬨の声が聴こえている
気忙しく祝福している
今日までハレとケの往来に
蓄えた財産をさあ使うとき
爽快な気分だれも奪えないよ
広大な宇宙繋がって行くんだ
勝敗は多分そこで待っている
そう 生命が裸になる場所で
出典: NIPPON/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎