旬はまさに今でしょ
出典: おいしい季節/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎
この曲で度々出てくる表現。
「旬」がどういう意味で使われているのか。
もちろん解釈は人それぞれですので、どんな解釈も全て正解だと思います。
ここでは、3つの可能性を考えていきます。
私の賞味期限説
女性には綺麗な時期があります。
椎名林檎さん自身も若い女の子は得だとおっしゃるように、存在に華がある時期があります。
そして、それは有限です。
それを旬と呼んでいるのではないか、ということです。
あなた、私の女盛りをもっと楽しんでよ。
その思いが、時間を食べなさいと言わしめているのではないでしょうか。
こう考えてみると「おいで、急いで」と急かす乙女の気持ちに同情できます。
2人がキュンキュンできる時間説
嫉妬など感情の起伏を伴う愛し方というものができる時間は限られています。
なってみなければわからないですが、50代ともなれば新たに「恋しちゃった」となりにくいのかもしれません。
そんな熱い感情を相手に持てる時間のことを旬といっているのではないでしょうか。
あなた本気で愛してないようだけど、もう本気で愛せる時間が溶けちゃうよ。
そういえば昔「愛と恋は違う」といっている大人がいました。
愛は穏やかで、恋は情熱的。
感情の起伏が激しいのは恋の方です。
他の女と喋っていたら嫉妬したり、LINEの返信にドキドキしたり。
こういうことができる時間はやはり限られています。
そう考えると、人間の「おいしい季節」の儚さが感じられるかもしれません。
2人の生物的な寿命説
いや、上みたいなことじゃなくて単に寿命のことをいってるのではないか。
そういうこともできると思います。
つまり2人はずっと一緒にいることを決めた夫婦である、と。
でも私たちにも寿命はあって、それがまさに愛しあえる有限な時間なんだよと言っているということです。
今では、「おはよう」や「ありがとう」を言わない夫婦も珍しくありません。
また、表面上の付き合いになってしまっている夫婦もいると思います。
そう考えると、なお一層「核心をついてよ」の言葉の重みが増します。
どうして君という存在は1人しかいないだ…
永遠を望んだ瞬間 世界は滅亡
あーあ
如何して君はひとりしかいないの?
出典: おいしい季節/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎
世界が滅亡した
この歌詞が何を意味しているかは、ラストの部分を読み解く上で非常に重要です。
すれ違う2人の思い。
叫んだりしてみても、君は黙っている。
そんな中、思い切って思いをぶつけたのではないでしょうか。
「本音で愛してよ」と。
そうです、乙女は永遠の愛を願ったんです。
その結果は歌詞の通り。
彼女の想いは届かず、撃沈したのでしょう。
それは、彼のことで頭がいっぱいな彼女にとって世界の滅亡だったのです。
「君」を受け入れなければいけない
想い届かずの乙女。
しかし本当に永遠を望むなら、まっすぐ愛してくれない男を受け入れなければいけません。
だからこそ、嘆いているのです。
君が世界に1人しかいない特別な存在だから、私は受け入れるしかない。
いよいよ、楽園の意味に迫っています。
2人が受け入れ合う世界
ICE ,ICE,ICE CREAM
楽園にようこそ
旬はまさに今でしょ
おいでここへ急いで
時間が溶けてなくなるよ
出典: おいしい季節/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎