君と本気で愛し合えない。
悩ましい乙女は、頭を悩ませ燃え上がってしまいます。
だからこそ、この「ICE」を連発しているのでしょう。
椎名林檎さんはライブでこの部分を歌う時、囁く様に口元を隠して歌います。
冷静になって頭を冷やしている、まさにその表現ではないでしょうか。
新しい世界を作る
そして、君と愛し合うためには新たな楽園を作るしかないことを知ります。
楽園とは何か。
まさに旬を迎えた2人の愛し合う空間のことです。
乙女は正面から愛してくれない君のことを、受け入れる覚悟をしたように思えます。
「旬はまさに今でしょ」という言葉にも、過ぎゆく時間への満足感が漂っています。
1番ではそのことを「悪者」と言っていたのですから、このあたりの対比は本当に見事です。
終わりに
この曲は冒頭でも述べたように非常に文学的だと思います。
まず、時間をアイスクリームに見立てる比喩能力の高さ。
そして、男女間の隔たりを巧みに描写した表現の数々。
特に、最後の大サビの結論は見事です。
転調して音楽的にもブワァーっと盛り上がっていくところ。
まさにそこで、2人の世界を作りなおすという結論を持ってきました。
それが望んでいない形だったとしても、君と生きていくことを選んだわけです。
それこそがまさに溶けた時間から生まれた未来だったんです。
また、もっと違う形の解釈もあっていいと思います。
この曲の最大のテーマである「旬」の解釈もまだあるでしょう。
「旬のうちに味わって」というこの曲の主人公の乙女の嘆きを、あなたはどのように解釈しますか?
【椎名林檎/逆輸入~航空局~】豪華セルフカバー曲を徹底解説!原曲との違いは?濃密な林檎節を体感せよ - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
数多くの歌手へ楽曲提供を行ってきた椎名林檎。それらを再構築したセルフカバー曲集第2弾「逆輸入~航空局~」を全曲徹底解説します。原曲との違いから見えてくるのは椎名林檎の音楽への真摯な姿勢でした!
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