茜色 包まれながら僕は
今日だって明日だっていつも
君探し 意味探しから逃げてみてるだけ
僕の理解者は 僕だけだから
「また勝手だな。わかってないな。」
出典: PM 5:30/作詞:北村匠海・藤林聖子 作曲:池窪浩一
「茜色」とは、夕日の色を指しているのでしょう。
橙色のような朱色のような、そんな茜色の夕日に包み込まれているのです。
大きな夕日はあたり一面を茜色に染め上げるのでしょう。
その中で、主人公も茜色に染まっています。
1人ぼっちである自分の毎日に価値が見出せず、世界に同化しているのです。
誰にも見つけてほしくはなく、世界に同化することによって身を守るのでしょう。
「君」を探すことも、自分の毎日に価値を見出すことも、もうやめたいのです。
言葉の嘘つき
言葉は時々嘘つき
心さえ欺くから
宵闇迫る曖昧に
隠れてたいよ
出典: PM 5:30/作詞:北村匠海・藤林聖子 作曲:池窪浩一
言葉とは、簡単に人間を裏切るものなのです。
そう考えている主人公はやはり他人、社会への信頼が薄いでしょう。
どれだけ言葉にしても、いとも簡単に裏切るのです。
自分の心をも騙して、他人をも騙す。
そんな曖昧な世界からは、逃亡したいという主人公の思いが読み取れます。
こんな世界なら、身を隠した方が安全だ。
そういっているのかもしれません。
「眠りたい」の真意は?
繰り返し
こんな毎日をただ繰り返し
立ち止まり 叫んでみても
君は 僕には 振り返らないのかな
君の理解者に 僕はなりたい
「また勝手だね、もう眠ろうかな。」
出典: PM 5:30/作詞:北村匠海・藤林聖子 作曲:池窪浩一
やはり、こんな毎日を繰り返している自分に価値が見出せないようです。
価値のない毎日を過ごしているから、「君」が振り向いてくれないのでしょうか?
足踏みをやめて叫んでも届かないのです。
主人公は「君」を理解してそばにいたいのでしょう。
しかし、それも叶わないのです。
どれだけ主人公が頑張っても無駄なのです。
無駄だとわかっているから、主人公は何も行動できないという部分もあるのではないでしょうか。
最初から無駄だとわかっているのに、無駄に頑張りたくない。
主人公の少しネガティブな性格が窺えます。
心の中で願うなら
ああ、苦しくない 悲しくも
決して切なくもないんだよ
意味とか理由だとか なくても素晴らしい
混ざり合う時の色を
願わくば 明日もみたいだけで
出典: PM 5:30/作詞:北村匠海・藤林聖子 作曲:池窪浩一
この部分は、1番の歌詞とほとんど同じなのですが最後だけが違いますね。
毎日代わり映えのない、面白くもない日々。
それでも、当たり前に明日がやってくることに安堵の感情が読み取れます。
欲を言えば、黄昏の美しい空を「君」と見たい。
少し、希望を持ち始めた主人公はこの先、どのように生きていくのでしょうか?
PM5:30
最後に「PM 5:30」のタイトルの意味を考えていきましょう。
この曲の物語は「夕方」の物語であることが、歌詞から読み取れます。
つまり、黄昏時、夕方5時半頃のこと。
こう考えるとタイトルに納得です。
この物語の主人公に朝はやってくるのでしょうか?