生きている意味を問いかける一曲
2006年にリリースされた4thアルバム『RADWIMPS 4 ~おかずのごはん~』は
『前前前世』でRADWIMPSを知った方は、びっくりするほど甘い歌詞が詰まったアルバムです。
数あるアルバムの中でも、おかずのごはんは特にファンの指示を集めている作品です。
どれが一番か選べないほどの名曲揃いですが、どれもズキズキと刺さるほどリアルな歌詞ばかり。
それもそのはず。収録曲のほとんどはボーカルの野田洋次郎の実体験に基づいて書かれているのです!
感情むき出しのRADWIMPSに触れられるこのアルバムから、ラストを飾る『バグッバイ』について紹介します!
『バグッバイ』のテーマ
この曲のテーマを一言で表すならズバリ「生きる意味とは?」でしょう。
生きる意味なんていうと、壮大で小難しく感じるかもしれません。
でも中身は至ってシンプルです。
愛する人と生きること。
愛する人のために生きること。
そんな、身近にある些細な愛のために生きていくことを歌っているのです。
『バグッバイ』とは?
- バグ
- グッバイ
「バグ」はコンピュータ用語で「誤り」を意味します。
「グッバイ」は別れの挨拶です。
このふたつの意味と合わせて、歌詞を詳しく見ていきましょう!
歌詞紹介
近すぎて見えない誰か 誤って「僕」と呼ぶ
この声の正体は誰なの?
遠すぎて見えてる誰か 誤って「神」と呼ぶ
その顔にホクロはあるのかい?
仕方なくもらった命 誤って「愛」と呼ぶ
そうしとけば問題はないけど
「どうせなら」と見つけた意味を 誤って「夢」と呼ぶ
本当はそんなんじゃないはず
出典: バグッバイ/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
自分自身の容貌は、鏡越しでないと全体を見ることはできません。
私たちはそれを当たり前のように「僕」や「わたし」と呼んでいますよね。
でもそれは間違いなのだと歌っています。
神とホクロ
初期の楽曲を語る上で外せない人物がいます。
それは「マキ」という女性です。
野田洋次郎がかつて付き合っていた人で、ファンの間でもよく知られている女性です。
代表曲『有心論』をはじめ、初期の楽曲のほとんどはマキさんを意識したものになっているのです!
ところで「マキ」をローマ字にすると「MAKI」となりますね。
これを並び替えれば「KAMI」となり、神はマキのアナグラムであると考えられます。
ちなみにマキさんの顔には特徴的なホクロがあったのだそう。
この歌詞に登場する「神」とは、恐らくマキさんを指しているのでしょう。
誤って呼び合う「ふたり」
「神」は彼女であることを踏まえて、冒頭の歌詞を見てみましょう。
「僕」や「神」は単なる言い間違いだけを示しているわけではなさそうです。
ふたりは恋人同士だと思っているけれど、それは誤りなのかもしれない……。
恋人だと信じて呼び合っている名前だけど、人の心は不確かなものです。
そんな危うさを表現しているとも、解釈できるのではないでしょうか?
ふたりの関係は「愛」だと思っているし、一緒にい続けることは「夢」でもあります。
甘いだけでない、ちょっと曖昧で危うげなふたりの関係性を感じさせる歌詞ですね。
有心論に繋がる世界観
生まれてみればここが 全ての真ん中で
端に追いやってくれていいのに
左と右の間 地上と空の間 昨日と明日の間 夢と現実の間
だから迷うんだ 行ったり来たりと
僕の逝く道の 上で立って待っててよね
「ほら こっちだよ」って 「コラ そっちじゃないよ」って
出典: バグッバイ/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎