最小限の言葉で紡ぐドラマ

竹内まりや【ミラクル・ラブ】歌詞の意味を徹底解釈!忘れものって何?女神が苦笑する二人の関係を読み解くの画像

あなたは私に対してこれまでも気の利いた言葉を投げかけてくれていたのでしょう。

だからこそ異性でありながらいい友人関係でいられました。

ただ、そうした言葉に私はあなたの愛を発見できません。

身近な友人が自分に異性として好意を寄せていることに私たちは鈍感なものです。

この「ミラクル・ラブ」では愛が成就しました。

しかし相手が自分に特別な好意を寄せていることに気付いた途端に友人関係が破綻するパターンも多いです。

愛も友情も何もかも壊れはしなくて、さらに強固な絆で結ばれたこの「ミラクル・ラブ」は奇跡でしょう。

竹内まりやはここで「忘れもの」というワードを挿入しました。

この言葉の正体が何であるかが解釈にとって難しい点になります。

竹内まりやは最小限の言葉で印象的なドラマを紡ぐ力があるアーティストです。

使われる言葉は平易なものばかりで、比較的に分かりやすい歌詞を届けてくれます。

ただ「ミラクル・ラブ」での「忘れもの」とは何かは難しく思えるでしょう。

しかし私の目前にあるのだという「忘れもの」ならば、愛が身近にあることを忘れていたという解釈が自然です。

つまりあなたというかけがえのない人の愛とその意味を人生の中で忘れたままだったことに気付きます。

「忘れもの」を見つけられた私はあなたの背中にさえ愛を感じられるようになりました。

あなたの心とその愛というものをしっかりと手に入れることができたのです。

この愛の在り方は大人なものかもしれません。

牧瀬里穂の歌もいいのですが、ファンとしてはやはり竹内まりやのセルフ・カヴァーを支持するでしょう。

大人の愛の情景

愛と思いをしっかり掴んでいよう

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手と手が触れたら Miracle
運命はまわり始める
めぐりめぐって愛し合う奇跡
思いっきり抱きしめたいの

三度目のキスで Miracle
すべてが変わって見えたの
どんな夢も叶えられる奇跡
ずっとずっと はなれないでね

出典: ミラクル・ラブ/作詞:竹内まりや 作曲:竹内まりや

牧瀬里穂が歌うと若い愛のように感じます。

しかしこのラインを竹内まりやが歌うと途端に大人の愛の薫りがするのです。

まず実際に肌を合わせることの大切さが歌われます。

友人関係でしかなかった頃の私には考えられない発想かもしれません。

しかし愛はもう走り出しています。

そのため私も積極的に相手に触れたいと願うようになりました。

もともと恋を探し続けていた私。

恋に落ちたら相手と手を繋ぎたいという思いを日頃から抱いていたのかもしれません。

昨日までの友人が今日から恋人なのですから愛というのは確かに不思議でしょう。

しかし友人という関係性の中から愛を育むことはそれほど珍しいことではありません。

友愛の中に情愛が芽生えてしまうことは仕方のないことでしょう。

だからこそ男女の間に友人関係は成り立たないと主張する人もいます。

しかしどの友情も恋愛関係に発展する訳ではありません。

「ミラクル・ラブ」のふたりは運命のめぐり合わせというものをしっかりと掴んで離さなかったのです。

愛の生誕というものはチャンスをきちんと掴むことが大事でしょう。

アイコンタクトの中でしっかりと相手の思いを掴むことができた私の視線というのは確かなものでした。

いまはこれまで一定の距離を大切にしていたあなたともっと近付きたいと願うのです。

愛の万能感に覚醒めること

もうすでに手に触れるどころか、三回も唇を重ねています。

その三回目こそが強烈だったし、愛が確信に変わって世界がバラ色になったと私は歌うのです。

おそらく私は久しぶりに愛を確かめあえたのでしょう。

毎日、挨拶代わりにキスを交わすカップルには分からないときめきを感じているのです。

展開が早いと感じるのか、愛というものは走り出したら止まらないと思うのかは人それぞれでしょう。

ただ、こうしたきっかけを経て私には万能感のようなものまで覚醒めます

愛ほど人に自信をもたらしてくれるものはありません。

誰かに深く愛されていると知ると私たちの心には勇気というものが生まれてきます。

誰かから告白されると嬉しくなる気持ちというのは否定できるものではないです。

相手の気持ちを受け入れられないときでさえ、ああ、自分はこの世界にいていいのだなと思えます。

ましてや私とあなたはもう相思相愛の仲になりました。

最初はあなたの密かな片想いであったことは間違いありません。

しかしいざ付き合うことが決まると、きっかけがどちらだったかなどという事柄は気にならなくなります。

ずっとうちに秘めていたあなたの思いが実ったことをリスナーも安心して祝福できるでしょう。

どうぞ末永くお幸せにと願うしかありません。

最後に 順風満帆な愛の歌

瞳が語るものを聴こう

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目と目が合ったら Miracle
運命の不思議な兆し
こうしてたどりついたのは奇跡
赤い糸で結ばれてたの

手と手が触れたら Miracle
運命はまわり始める
めぐりめぐって愛し合う奇跡
思いっきり抱きしめたいの

出典: ミラクル・ラブ/作詞:竹内まりや 作曲:竹内まりや

いよいよクライマックスを迎えました。

ご覧いただくと気付くでしょうがリフレインです。

繰り返しにはなりますが最後ですから改めて読み解いていきます。

長い間、友人関係であったふたりでも今日は何か違う感じがすると思ったのでしょう。

あなたの瞳に映る自分の姿を私は発見したのかもしれません。

瞳というものは言葉よりも多くのことを語ることがあります。

大切な人と向かい合っているときはきちんと相手の目を見ていたいものです。

その視線に真剣さが宿っていることに相手も気付いてくれる日がやってきます。

いま密かな片想いで悩んでいる人も勇気を出して相手の瞳を覗き込んでください。

私もずっとジプシーのように遠くを彷徨い歩きながら運命の相手を探していました。

これまでの私が忘れていたのは目前の人ときちんと向き合うことだったのかもしれません。

それこそが上述した「忘れもの」の正体でしょう。

愛というものは実感できるものです。

遠くを眺めてばかりいて、期待を膨らませていても掴めるものではありません。

竹内まりやは身近なところにこそ奇跡があるという真理をリスナーに伝えきりました。

希望を照らすような歌

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愛というものは手に触れることができます。

好きな相手の同意を得て手を握ればそこに愛は宿ってくれるのです。

多くの大人はそのことを自然に学んできたはずです。

私だってそうした愛の真理に近付けています。

肉体的な裏付けを持たない愛は虚しいものかもしれません。

観念の中で理想化しているだけの愛は実体を持たないのです。

だからこそ私はあなたを抱きしめようと願う気持ちで歌を閉じました。

フェードアウトしてゆく終わり方ですが、このふたりの未来が愛に満たされていると確信できます。

素敵な運命のめぐり合わせというものを「ミラクル・ラブ」の愛に見ることができるのです。

「ミラクル・ラブ」にはネガティブな要素が一切ありません。

破綻することのない愛を描いているので聴いていて安心できます。

おそらくふたりの関係が最初から良好だったという事実が大きいのでしょう。

信頼関係が予めあるので距離を近付けることに躊躇がなくなると進展が早いです。

友人関係から恋人になりたいと願っている人にとってはとりわけ勇気を得られる楽曲でしょう。

また片想いで苦しんでいる人に希望を照らす歌でもあります。

順風満帆なラブソングですが、あなたがずっと抱えていた恋心というものの切なさも見ておきたいです。

ずっと心の中に好意を抱えながら相手と平常心で接してきたことを思うとその優しさに胸を打たれます。

すべての男性にこのような繊細な優しさがあれば女性も安心できる社会になるとも思うのです。

「ミラクル・ラブ」は奇跡的な愛を歌います。

そして愛というものそのものが奇跡のようだとも教えてくれるのです。

さらにいえばこれはありふれた奇跡でしょう。

誰にだって起こせる可能性があるミラクルであるからこそ希望を灯すような印象が得られるのです。

ここまでお付き合いいただいて、ありがとうございました。

OTOKAKEと竹内まりやの軌跡

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