ヒットメーカー竹内まりや
竹内まりやは1955年島根県生まれのシンガーソングライターです。
旦那様は「クリスマス・イブ」などで知られる山下達郎で、彼女の作品の多くに携わっています。
高校在学中にはアメリカのイリノイ州に交換留学も経験し、さらに慶應義塾大学文学部英文学科へと進学したとのこと。
竹内まりやの楽曲には英文歌詞も多く登場するのですが、英語はお手のもので発音もきれいな理由が分かるような気がします!
デビュー翌年の1979年にはシングル「SEPTEMBER」で第21回日本レコード大賞新人賞を受賞し、人気アーティストの仲間入りを果たしました。
ちなみに実家はパワースポットとしても大人気の出雲大社の真ん前で、かなり古くから営業している老舗の旅館なんですよ。
また、2018年には40周年を記念して『souvenir the movie 〜MARIYA TAKEUCHI Theater Live〜』が劇場公開されました。
今年の11月にはDVD・Blu-rayが特典付きで発売されるので、ファンにとっては垂涎の品ではないでしょうか。
多数の楽曲提供でも知られている
長きにわたり多くの名曲をリリースしている竹内まりやは、人気アーティストへの楽曲提供が多いことでも知られています。
2016年では嵐のヒット作「復活LOVE」で作詞を担当、作曲は夫の山下達郎という夫婦合作ナンバーとしても話題になりました。
また、2017~18年には早見沙織に『夢の果てまで』『新しい朝(あした)』を提供するなど多くのアーティストに貢献しています。
自身の為だけではなく後生のアーティストに尽くしている点もまた素晴らしいのではないでしょうか。
節目を迎えて
そんな竹内まりやが50代を迎えて作った曲が「人生の扉」です。
いつもながら耳に心地よい歌声と英語の歌詞が魅力的なナンバーで、同じ年代の人はもちろんのこと、世代や性別を超えてたくさんの人の心に響く1曲になっています。
シングル「チャンスの前髪/人生の扉」
「人生の扉」は「チャンスの前髪」の両A面曲です。2007年8月に35枚目のシングルとしてリリースされました。
2007年5月リリースの10枚目のアルバム「Denim」にも収録されています。
タイアップとしては、協和発酵(現在の協和発酵キリン)のCMソングに起用されました。
2つの曲に共通する想いも?
「チャンスの前髪」は「人生の扉」とまったく雰囲気の異なる、軽快な曲です。
ちなみに前者のタイトルは、「幸運の女神には前髪しかない」というギリシャ神話に由来する英語のことわざ”seize the fortune by the forelock”(直訳では「前髪を掴め」→「チャンスを逃すな」の意)に由来しています。
タイトルのとおり、うっかりしていると掴み損ねてしまうチャンスを大切にしたいというメッセージが伝わる内容になっていますが、ここでも彼女の卓越した英語のセンスがさりげなく活かされていますよね。
一見かけ離れているように見える「チャンスの前髪」と「人生の扉」。
でも実は、さまざまなチャンスを大切にしなければという想いと、年を重ねていくこの先も丁寧に時を刻んで生きようという前向きな姿勢は、人生を考えたときにどこか共通するものがあるように思えます。
「SONGS」でも披露
実は「人生の扉」は2007年4月に放送されたNHKの「SONGS」で披露されています。
竹内まりやはほとんどメディア露出がないアーティストとしても知られていますが、そんな彼女が「SONGS」の記念すべき第一回に出演し、山梨県にあるスタジオで「人生の扉」を唄った模様は大きな話題となりました。
「人生の扉」の歌詞を見てみる
英語のフレーズも印象的
春がまた来るたび ひとつ年を重ね
目に映る景色も 少しずつ変わるよ
陽気にはしゃいでた 幼い日は遠く
気がつけば五十路を 越えた私がいる
信じられない速さで 時は過ぎ去ると 知ってしまったら
どんな小さなことも 覚えていたいと 心が言ったよ
出典: https://twitter.com/suguru441love/status/715078430564360192
竹内まりや自身も3月生まれですが、春という節目の季節に合わせて年を重ねることは、他の季節生まれの人とはひと味違う特別な感覚かもしれませんね。
人生の折り返し地点を過ぎた50代…ふと周りを見渡したときに感じた素直な気持ちが語られています。
ここで面白いのは単なる老境に差し掛かった大人の達観した振り返りではないということです。
それは「どんな小さなことも覚えていたいと心が言ったよ」という所にとても強く象徴されています。
人間という生き物は過去の思い出などどんなに頑張って記憶しようとしても忘れる悲しい生き物です。
しかし、それをただ黙って看過することは出来ないと心が強く訴えています。
竹内まりやの心情がここに歌い込まれており、とてもエネルギッシュで若々しい感性をお持ちの方だと分かるのです。
50代に入ったからといって、精神面ではまだまだ老いたりしないぞという自意識の強さが感じられます。