振り返ることも出来ずに 走り抜けてきた僕ら
上り下り繰り返した それは時に甘くほろ苦い

出典: To be free/作詞:Soluna 作曲:Samuel Waermo,Octobar

不遇の時代もあった

でも、5人はいつも後ろを振り返らず前だけを向いて進んできました。

その道のりには、いいことも、いやなことも沢山あったに違いありません。

特に人気という不確かなものを相手にしなければならない、ショービジネスの世界が主戦場の彼ら。

デビューから10年経ってようやく立ち止まり、過去・現在・未来を見つめ直す時を持ったのではないでしょうか。

そこには確かな手ごたえがあったはずです。

「自由」とは

嵐【To be free】歌詞の意味を解説!「渇き」は何を表現しているの?清涼感溢れる言葉に注目!の画像

渇いたまま僕らは駆け出したんだ ごまかせない心に気づいたから
何も飾らず そのままで…

透き通ったまま僕らは夢描いたんだ あきらめない太陽より煌めくから
流した汗も そのままで…

渇いたまま僕らは駆け出したんだ ごまかせない心に気づいたから
何も飾らず そのままで 風に吹かれ行くだけさ To be free

To be free...

出典: To be free/作詞:Soluna 作曲:Samuel Waermo,Octobar

サビを繰り返し、「自由になりたい」とつぶやくように曲は終わります。

「自由になりたい」とは、どんなことを指しているのでしょうか。

「勝手気ままにやっていきたい」ではないことは明らかです。

では「何物にも縛られたくない」でしょうか。

そんなニュアンスも感じられます。

でも、彼らの活動と照らし合わせてみると、「やりたいことを実現していきたい」ではないかと思えるのです。

自分たちが世に出していきたいもの。

それを形にできるだけの実力と実績を手にした時が、自由になれる時だと言っているようです。

CMソングと商品の関係

嵐【To be free】歌詞の意味を解説!「渇き」は何を表現しているの?清涼感溢れる言葉に注目!の画像

CMソングは、対象となる商品や企業、サービスなどのイメージに合わせて作られる、または選ばれます。

メロディーや歌詞によって印象づけ、注目されることが一番の狙い。

それも、15秒や30秒といった短い時間での勝負です。

そこに、ここぞというフレーズを持ってくるわけですが、王道はサビの投入でしょう。

「三ツ矢サイダー」×「To be free」の場合も、サビを当てています。

「渇いた~」から始まり、爽やかな映像とともにサイダーの爽快感を演出。狙いどおりの効果を生みました。

また、歌詞全体に散りばめられた、雲、空、風、日射し、太陽、透き通った、煌く、汗、光、などの言葉。

この清涼感溢れる言葉選びも、サイダーを飲みたくなるシチュエーションにつながります。

もちろん、渇いた=喉が渇いた、にも直結しますね。

曲全体のメッセージを構築しながら、同時にCMソングとしてキャッチーであること。

それを両立させるプロの技も楽しみましょう。

“あの曲”のアンサーソング?

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【To be free】の歌詞を見ていくうちに、ある曲が重なるように思い浮かんできます。

2003年にリリースされた【とまどいながら】です。

この曲もまた「」そのものを投影することができる内容になっています。

【とまどいながら】の歌詞の一部を引用しながら見てみましょう。

不安げに踏み出す一歩

嵐【To be free】歌詞の意味を解説!「渇き」は何を表現しているの?清涼感溢れる言葉に注目!の画像

とまどいながら僕達は 不確かな道探して
ためらいがちに走り出す きまぐれな未来きっと
手に入れるために

出典: とまどいながら/作詞:オオヤギヒロオ 作曲:オオヤギヒロオ

同じように未来への道を模索しながら走り出そうとしていますが、とても不安げです。

確信が持てないままにもがいているような。

まだ何も手にしていないという苛立ちも滲ませています。

ここでも登場する「自由」

嵐【To be free】歌詞の意味を解説!「渇き」は何を表現しているの?清涼感溢れる言葉に注目!の画像

特別な人じゃないけれど この手にある自由で
誰よりも高く舞い上がろう まだ見ないあの場所へ
辿り着くために

出典: とまどいながら/作詞:オオヤギヒロオ 作曲:オオヤギヒロオ

 ここでも「自由」という言葉が使われています。

文脈からは、やはり何かを実現するための力としての意味が込められていると解釈できるでしょう。

この2003年の【とまどいながら】の頃の自分たち。

それを踏まえながら、【To be free】は2010年のリリース当時の「今」の心境を描いたようにも受け取れます。

あの頃はまだ不確かだったものが、年を経て形になっていく。

たぶん、このままでいい、という答えを示したアンサーソングともいえるのではないでしょうか。