リリース情報

1992年にリリース

安全地帯【あの頃へ】歌詞の意味を徹底解説!あの頃っていつ?懐かしく美しい景色を見せたい心情に迫るの画像

【あの頃へ】は1992年にリリースされました。

安全地帯の22枚目となるシングルです。

【あの頃へ】という曲名をシングルのタイトルにも起用しています。

収録曲は、同曲の他に【地平線を見て育ちました】の1曲

どちらの楽曲も、郷愁の念が強く感じられます。

自分の幼少期、そして生まれ育った場所を懐古するようなこの2曲。

非常にノスタルジックなシングルとして完成しています。

ちなみに同シングルは、前作から1年以上経ってからのリリースとなりました。

1年を経て、自分たちの原点を見つめなおしたのかもしれませんね。

聴けば誰もが懐かしくなるようなシングルです。

また、【あの頃へ】は10年後に再びリリースされています。

2002年にリリースとなった同曲は「2003 New Version」として再収録。

アレンジを変え、ボーカルも新たに録音し直しています。

月桂冠「花鳥風月」のイメージソングに起用

【あの頃へ】は月桂冠の「花鳥風月」という商品のCMに起用されています。

このCMでは主演を真田広之がつとめました。

月桂冠が作られているのは京都の伏見。

それをイメージしてか、真田広之が赤い鳥居の中を歩いているというCMです。

同曲のしみじみとしたサウンドが和風の映像によく合います。

真田広之の人気も相まって、このCMは一躍話題となりました。

ちなみに月桂冠は日本酒です。

日本酒は造る土地の風土などにも左右されるデリケートな飲み物。

京都の伏見に酒どころがあるというのも、意味があるのです。

その点、「土地」そのものに想いを馳せる同曲はピッタリといえます。

口に含んだ時の甘み、そして喉を通る時の暖かさ。

どこか昔を遠く懐かしんでしまいます。

このような月桂冠の魅力と同曲は非常にマッチしているのです。

曲の情景

テーマは故郷

雪が降る 遠いふるさと
なつかしい 涙になれ

出典: あの頃へ/作詞:松井五郎 作曲:玉置浩二

早速曲の解説に入っていきます。

まず、同曲のテーマはずばり「故郷」です。

それは最初の歌詞からも良く分かります。

この曲は自分の生まれ育った土地をテーマにしているのです。

ちなみに、同曲の作曲を担当した玉置浩二の出身地は北海道

雪が吹きすさぶような情景の浮かぶ歌詞ともリンクします。

憶測ですが、作詞担当の松井五郎は玉置浩二の故郷を思い描いたのではないでしょうか。

曲中には北国を連想させる歌詞がちりばめてあります。

これにより一層、玉置浩二は感情移入しながら歌い上げることが出来るでしょう。

同曲が2回もリリースされていることからも、メンバーの思い入れの強さを感じます。

故郷を懐かしむ主人公

春を待つ 想いは誰を
幸せに できるだろう

出典: あの頃へ/作詞:松井五郎 作曲:玉置浩二

同曲は誰かのポエムのような調子で歌詞がつづられています。

曲中に「僕」という言葉が出てくることから、一人称視点での歌詞です。

主人公の存在があることで、より情緒的に聴こえるのも特徴の1つ。

漠然と故郷をふりかえる楽曲ではなく、「誰かの」故郷として歌い上げているのです。

聴き手は自分のことの様に、北国での想い出を振り返れます。

特にこの歌詞からは、厳しい冬が連想できます。

暖かい地方なら、わざわざ春を待ち遠しく思うこともありません。

おそらく冬場は外に出るのもはばかられるほど、厳しいのでしょう。

雪が吹きすさぶ山間部。

そこに住む人は皆、辛抱強く暖かい季節を待つのです。

当人たちにとっては辛いことかもしれません。

しかしそれすら今の主人公にとっては、良き思い出なのです。

主人公の想うふるさととは

自然に囲まれた場所

あの空は あの風は
いまも胸に 限りなく

出典: あの頃へ/作詞:松井五郎 作曲:玉置浩二