「光りの街」ってどんな曲?
メロディーからも「希望」を感じる壮大なロックチューン
「光りの街」はギターのアルペジオからスタートします。
全体の雰囲気はギター、ベース、ドラムどのパートをとっても重低音でDragon Ashらしさがありますね。
しかしながら、その中にも「希望」というワードを強く感じずにはいられません。
このナンバーは聴いているととても「壮大な曲だな」という印象を受けるでしょう。
パートそれぞれに音の広がりがあり、バンドサウンドのみにも関わらずこの迫力です。
まるで「希望という明るい光に向かう道を歩いている」様な感覚になりますね。
MVもとても特徴的で、思わず見入ってしまうこと間違い無し。
「光りの街」という曲が出来た背景を知ってから聴くとさらに胸が熱くなるナンバーです。
MVをチェック!
汚れた服…瓦礫の山…
MVのサムネイルからもわかるように、ギター・ボーカルのKjさんが汚れた服を着ています。
Dragon Ashのメンバーは瓦礫の中で演奏しているのもMVを見ているとわかりますね。
しかし、「汚い」と感じるはずのものもすべて「白」であり、不思議と美しさを感じます。
この「光りの街」という曲は、2011年の東日本大震災の後に製作されました。
東日本大震災が起こった時、Dragon Ashはツアーの真っ最中。
一時ツアーは中断されましたが、その後再び「復興支援」としてツアーをスタートさせました。
そのツアーでグッズとして販売された、バッジやスッテカーの売り上げを被災地復興プロジェクトへ寄付。
宮城県石巻市にその寄付金で「スマイルパーク」という公園が作られました。
震災当初、笑顔が全く無かった子供達。
その後スマイルパークで楽しそうに「笑顔」で遊ぶ子供達の姿をKjさんが見て「光りの街」が書き下ろされました。
子供達の笑顔は「震災の後の希望」です。
「瓦礫の中にいても、汚れた服のままでも子供の笑顔があれば希望が抱ける」。
そんなメッセージがMVからも伝わってきます。
服も汚れ、瓦礫が散乱し、使っている楽器もすべてボロボロに近い状態です。
それなのに、これほどまでに希望を感じる事ができるMVについつい見入ってしまいました。
お腹の底から「希望の光」を感じずにはいられません。
歌詞解説①
希望の象徴
雲を払った 小高い丘で誰か
ふと笑った 思い出す様に
it's a brand new hope
it's a brand new hope
注ぎ出す様に
出典: 光りの街/作詞:Kj 作曲:Dragon Ash
スマイルパークが作られたのは丘の上でした。
それは、津波が来ても大丈夫という気持ちを込めてだと思われます。
「雲」とはおそらく「恐怖心」や「不安感」ではないでしょうか。
震災当初、希望は見えず絶望ばかりを感じていたに違いありません。
子供達もただただ恐怖心に耐え、笑顔がなくなっていました。
そんな子供達が、月日が経ち思い出した様に見せた笑顔。
まさに「希望」の象徴だと感じます。
歌詞の英語の部分が意味するものは”子供達のその笑顔は新しい希望”ということでしょう。
1人の子供が笑うことで笑顔が広がっていき、みんなが「希望」を抱けた。
そんなメッセージを感じ取ることができました。
希望を抱く気持ち
説き伏せる振りをして くり返す日常
はぐらかせやしない 突き上げる意志を
きりがない失望 それでも望むんだ
日々や充実を
出典: 光りの街/作詞:Kj 作曲:Dragon Ash
人は絶望を感じるとどうしてもマイナスな考えを持ってしまいます。
「もう無理だ。」
「これが限界だ。」
「そんなこと出来っこない。」
自分だけではなく周りの人間もそんな風にマイナスな考えを押し付けてくることもあります。
しかし、誰しもほんの少しは「もしかしたら…」という希望を持っているのではないでしょうか。
そして、その気持ちは日に日にふくらみを増していきます。
その闘志の様な、希望の様な「プラス」の感情がいつか「マイナス」の感情を上回る時が来るでしょう。
長い人生の中、何度も辛い思いや「死」すらも考える経験を繰り返し生きていきます。
辛すぎる感情を抱きながらも、ボロボロになりながらも人は「希望」を持ち続ける生き物。
それはどんな絶望にも打ち勝つすべでもあるのかもしれませんね。