明るいサウンドに乗せる苦悩

Green Day【Basket Case】歌詞を和訳して意味を徹底解説!無力感を克服する方法とは?の画像

「Basket case」は、アルバム「Jookie」に収録された一曲です。

アルバム「Jookie」はグラミー賞を獲得するなど大ヒットしました。

それを受けてシングルカットされたこの曲は、チャートで5週連続1位を獲得。

ライブでも定番の曲となっており、Green Day(グリーン・デイ)の代表曲といえるでしょう。

Green Dayらしいポップ・パンクで明るい印象のサウンド。

ですが歌詞を読み込んでいくと、無力感と向き合う苦悩と不安が赤裸々に描かれています。

1994年当時、ボーカルのビリー・ジョー・アームストロングはパニック障害を患っていました。

その中で感じた苦しみや行き場のない感情をこの曲にのせています。

Green Dayの明るいサウンドと社会派の歌詞が印象的な一曲です。

「バスケット・ケース」とは?

身動きがとれない人のスラング

タイトルになっている「バスケット・ケース」という言葉。

これは元々、手足を負傷して動けなくなった兵士を指しています。

身動きが取れなくなりバスケットに入れて運ばれたことに由来しているのです。

深手を負って動けなくなった兵士のように、傷ついてもう動けない自分の姿を表現しているのでしょう。

そこから転じて、アメリカのスラングでは「精神的に弱って動けない」ことを指すようになりました。

身も心も傷つき、身動きが取れない辛い感情がこめられた言葉です。

実際にビリーが患っていたパニック障害は、不安や恐怖で身動きがとれなくなってしまうこともあります。

当時のビリーの心境を率直に表したひとことと言えるでしょう。

そんな歌詞の世界を、ひとつづつ和訳しながら解説していきます。

病院をイメージしたMVもチェック

MVもタイトルの内容を反映したものとなっています。

閉鎖病棟のようなところに連れて行かれるビリー。

介護されながらギターを手にします。

車椅子で運ばれてくるトレ、同じく介護を受けているマイク。

病室のようなベッドのある部屋で演奏する三人。

その周りには医者や看護師、他の患者のような人々が行き交っています。

そして幻覚が見えたり薬が映されたり…。

色使いはポップながらどこかシュールでダークな世界観を感じるMVです。

まさにBasket Caseのポップなサウンドと重い歌詞を映像で表現しています。

泣き言を聞いて

突然の落胆

Do you have the time
To listen to me whine
About nothing and everything
All at once

出典: Basket Case/作詞:Billie Joe Armstrong 作曲:Billie Joe Armstrong, Michael Pritchard & Frank Wright

和訳は以下の通りです。

少し時間はあるかな
泣き言を聞いてほしいんだ
何もかもなくなってしまったみたいだ
突然にね

出典: Basket Case/作詞:Billie Joe Armstrong 作曲:Billie Joe Armstrong, Michael Pritchard & Frank Wright

泣き言というフレーズからこの歌が始まります。

泣き言を言う、愚痴をこぼすといった意味の「whine」。

誰かに自分の悩みを聞いてほしいと訴えかけます。

「僕」は突然何もかも失ってしまったと感じているようです。

物やお金や地位、そういったものを失ったのかもしれません。

ですが、この後には「ノイローゼ」や「誇大妄想」といった言葉が出てきます。

そこから考えると「僕」が失ったと感じているのは意欲や喜びといった感情面なのでしょう。

日々を過ごす意欲を失い、心の中に何もなくなってしまった

強い無力感や虚しさを感じて、誰かに悩みを聞いてほしいのです。

芝居がかった自分

I am one of those
Melodramatic fools
Neurotic to the bone
No doubt about it

出典: Basket Case/作詞:Billie Joe Armstrong 作曲:Billie Joe Armstrong, Michael Pritchard & Frank Wright