僕はせめて味方でありたい、信じられないならそれでもいい

さあ笑われたまま願い疲れた
この隘路をまたどこへ行こう
どうにも日々は無常
頓智気やれば非道
貶されてまた傷ついて
死球を見逃したアンパイア
どうせ公正じゃないのならば
僕はせめて味方でありたい
信じられないならそれでもいい

出典: https://twitter.com/y_lyrics/status/920443319729008640

いろんな人から嘲笑われ、いつか救いが来ると「願い疲れた」日々の中で、年を重ねれば重ねただけ道幅だけが狭まって、彷徨うことさえできない、通るのも難しいような道になっていくのを感じるのでした。

なんとか痛みをやり過ごして生きたとしても、年を重ねて気付いた時には可能性の幅はどうしようもないくらい狭くなっているという八方塞がりの人生を歌った歌詞

弱者を作って勝とうとする人間の気まぐれに標的にされ、うまく成長していくことができなかった子ども時代のせいで、定職につくことができず、やっとアルバイトや派遣などの仕事に就いても、ミスをすれば「非道」にも切り捨てられ「貶されてまた傷ついて」いくのでした。

「死球を見逃したアンパイア」という歌詞は、そんな人生に追い込むような傷をつけた人間たちのことは見逃して、厳しい状態に追い込まれた人たちだけを、安定した仕事もせずになどと攻め立てるような社会を描いているのでしょう。

そんな社会に追い詰められる人たちへ「どうせ公正じゃないのならば 僕はせめて味方でありたい」と呼びかけているのです。

しかし、そんな風に苦しみに晒され続けている人たちにそんなことを言っても信じられないということは、自分の経験からわかっているため、「信じられないならそれでもいい」と言葉を重ねる姿は、米津さんの本心が垣間見えるようです。

この世界には全く味方がいないと思いながら生き続けている人たちへ、その辛さが誰にもわからないくらい辛いことがわかる、だからせめて「味方でいたい」という思いがほんのわずかでも届けばいいという歌詞ですね。

消せない過去から這い出す痛みは許してほしい

ドクドク精神胎動
欠乏も飽満も見過ごして
劣等身体もう維持限界 散々呪いを受け取ったって
精々生きていこうとしたいんだ
慢心も謙遜も必要ない
許したいんだ
消せぬ過去から這い出すような
そんなそんな痛みを

出典: https://twitter.com/y_lyrics/status/925365797043650560

限界を超えても、まだ心は痛みも苦しみも感受していることに、自分が生きていることを実感し「散々呪いを受け取ったって 精々生きていこうとしたい」 と思うのでした。

「慢心」でも「謙遜」でもなく、ただ消せない過去から這い出すためにする努力を、伴う「痛み」くらいは許したい、許してほしいという切実な言葉。

米津さんにとって「消せぬ過去から這い出すような そんなそんな痛み」とは、こうして過去を歌に変えることなのかもしれません。

「死にながら生きるような姿」にされた「僕ら」

痛みで眠れないまま
彷徨い歩く僕らは
死にながら生きるような姿をしていた
思うように愛せない
この世界で生きる為
血まみれのまま
泥沼の中
僕らは願い
また歩いて行こうとする

出典: https://twitter.com/y_lyrics/status/919718545230987264

「痛みで眠れないまま 彷徨い歩く僕らは 死にながら生きるような姿をしていた」という言葉こそ、「リビングデッド・ユース」という曲名そのものを指している歌詞でしょう。

何度も心を殺されて、「死にながら生きるような姿」になってしまった「僕ら」は「思うように」世界も、人も「愛せない」。

それでも「この世界で生きる為」に「血まみれのまま」、抜け出すことのできない「泥沼の中」を歩くような人生でも、「僕らは願い また歩いて行こうとする」姿を描いた歌詞

この部分の歌詞を聴くと、その「願い」が届くことを信じたくなりますね。

おわりに

「リビングデッドユース」/米津玄師はいじめの経験を歌った歌!?カラオケ人気曲の歌詞解釈が知りたい!の画像

米津玄師の「リビングデッド・ユース」はそのサウンドのノリの良さから、カラオケでも人気楽曲です。

トラックメーカーとしての才能もある米津さんの楽曲なので、もちろんそうやって楽しむのも良いのですが、時にはこの曲が歌っていることは何なのか、自分は誰かを傷つけたりしていないかと振り返ってみてもいいのではないでしょうか。

また、人に残した傷は相手にはもちろん必ず自分にも残るもので、いじめではないとしても、喧嘩の中で言った一言で思った以上に相手を傷つけたと思った時なども、迷わずに謝ること。

きっとそうすることによって、一人でも多くの「呪い」が減っていくはずと、そんなことを考えさせられる歌詞ですね。

また、今傷ついて、追い詰められているという人は、この曲を聴いて、勇気をもらってください。

米津さんの歌詞が傷ついた心に寄り添うように感じるかもしれません。

無料で音楽聴き放題サービスに入会しよう!

今なら話題の音楽聴き放題サービスが無料で体験可能、ぜひ入会してみてね