現在のユニットは「第2期」となる
ヴォーカルチェンジを経て
もともとfripSideは、2002年に八木沼悟志と、オーディションで選ばれた当時まだ高校生だったnaoで結成されました。
インディーズとして活動しながらも人気はどんどん高くなり、その後大手ゲーム会社との提携を結んで、主にPCゲーム関連の楽曲を発表していきます。
そしてそのまま商業流通に乗るようにもなり、2008年にはメジャーデビューを果たしました。
しかし、それから1年も経たないうちにnaoが脱退することになり、メジャーデビューからちょうど1年後に「fripSide(第1期)正式終了」という形に。
その折、naoがヴォーカルを務めた2002年から2009年の間に関わった楽曲を詰め込んだ、10枚組(!)のCD-BOXが発売されました。
南條愛乃の抜擢
2006年に声優としてデビューしていた南條愛乃(なんじょう・よしの)。
「八木沼悟志のプロデュースユニット」という位置付けで継続されることとなったfripSideのヴォーカルとして、2009年に参加が決定し、「fripSide(第2期)活動開始」と発表されます。
そしてその11月、南條愛乃自身が出演していたテレビアニメ『とある科学の超電磁砲』の前期OP曲となる「only my railgun」をもって、fripSideは再度メジャーデビューとなったのでした。
この楽曲は、オリコンチャートや各種ランキングの上位を多く獲得し、今でもカラオケで歌われ続けるなど、長く高い人気を誇っています。
八木沼悟志にとって南條愛乃の声は非常に理想的なようで、楽曲制作の際にも、どのようにすれば彼女をより活かせるかを念頭に置いているとか。
自分が楽曲を作り、南條愛乃が歌えば、もうそれがfripSideである、というような発言も多くあり、彼がいかに信頼を寄せているかが窺えると言えます。
声優であり、ソロでの歌手活動も行っている南條愛乃は、それぞれの仕事内容については別々の心構えを持っている様子。
fripSideでは「ヴォーカリストとして、八木沼悟志が表現したい世界観への協力をする」という気持ちがある一方で、ソロ活動では「自分が表現したいことを伝えたい」という意識もあります。
声優活動の中でも、アイドル歌手役として歌うことが多くあるため、それはまたそれで別の感情があるのでしょう。
しかし、それらすべてを丸ごと包括したものが最終的に「南條愛乃」であり、お互いに衝突せず、むしろ刺激し合い、成長していくための良い経験となっているようです。
「fripSide(第2期)」としては、2018年4月時点では13枚のシングル曲を発表していて、今回紹介する「killing bites」はその最新シングル曲となります。
2018年1月から3月まで、テレビアニメ『キリングバイツ』のOP曲として使用され、南條愛乃も同アニメに出演しています。
それではまず、そのアニメOP動画を見てください。
アニメ『キリングバイツ』とは
青年漫画のアニメ化作品
青年漫画雑誌『月刊ヒーローズ』に連載されている、原作・村田真哉、作画・隅田かずあさの漫画が、このアニメの元となります。
漫画の連載は現在も続いていて、アニメ版を「第1章」とするなら、「第2章」に当たる部分が現在描かれているところです。
青年漫画のため、多少のエロとグロを含むものの、アニメではまだ控えめに描かれています。
では、ここでアニメ自体のPVをご覧ください。
ジャンルとしては「バトルアクション」となりますが、キャラクターに「獣人(じゅうじん)」と呼ばれる、人間でありながらも獣の能力を持つ、という設定があるため、SF要素も含んでいます。
男性キャラクターが獣化すると、上半身や顔などはほぼ獣になってしまうのに対し、女性キャラクターの場合は、可愛らしい顔はだいたいそのまま。
わかりやすく耳や尾が生え、部分的に体毛があり、爪と牙(内面的には目つきや性格なども)が鋭くなるほかは、肌の露出がやや高くなるくらいの変化です。
青年漫画であるため、このあたりに少しエロさがあったりしますね。
女性キャラクターの多くは胸が大きいというのも、まぁこの際仕方がありません。
アニメは当然、深夜帯の放送でした。
内容に触れてみる
冒頭、平凡な大学生だった野本裕也は、そう親しくもなかった知人にそそのかされて、知らないうちに集団レイプに加担する形で、車の運転手を任されてしまいます。
夜道を一人で歩く女子高生をさらい、運転席とはカーテンで仕切られた大型車の後部座席から聞こえてくる少女の抗う声と、男たちのいやらしい言葉。
耐えきれず裕也は車を急停止させ、後ろを止めに入ろうとしますが、そこでふとカーテンが開き、さらったはずの少女が「いいからこのまま走らせろ」と脅すように命令してきました。
わけもわからずもう一度車を発進し、見知らぬ廃材置き場にたどり着きますが、カーテンの向こう側にはかつての知人の変わり果てた姿が……。
恐怖のあまりに裕也はその場から逃げようとしますが、ふと気付いて見渡すと、周囲は死体の山でした。
そこはある人物の私有地らしく、「見られたくないもの」を置く場所でもあると、偶然出くわした男に聞かされます。
そして目の前に広がる妙に整った空き地は、「獣人」同士が闘う場所である、とも。
常識外れな話に混乱した裕也は、男に「バカなことを言わないで助けてください」と言ったところ、その「バカ」が気に障ったらしい男の身体が突然変化。
どうやらその男も「獣人」だったようです。
そこへ先程の少女がさっそうと現れ、裕也を助けるのかと思いきや、自分にベットしろと持ちかけました。
どうやら「獣人」同士が闘うためには、出資者がいなければ成り立たず、相手の男は「獅子(レオ)」という、無敗の王者のため、誰かが彼女に賭けてくれなければ闘えないのだとか。
意味がわからず答えられない裕也をよそに、少女は勝手に「自分が勝てば1,000万」と告げ、獅子男に挑みます。
彼女が死ねば、裕也も死ぬのに……。
しかし獣化した彼女は、最強の頭脳と牙を持つ「ラーテル」という動物の「獣人」で、毒への耐性や優れた回復力を持ち、攻撃能力(筋力)も非常に高いものでした。
そしてなんとレオを倒し、結果的に裕也を救うことになったのですが、はからずも「無名の獣闘士(ブルート)が、無敗の王者を倒した」という前代未聞の事態に発展。
そのせいで、瞳という名のその少女と裕也は、他の獣人たちに狙われることになってしまいます。
元はと言えばこの獣人たちの闘いは、ずいぶん昔から日本経済を支配してきたという4つの財閥の代理戦争とのこと。
それが「牙闘(キリングバイツ)」と呼ばれるバトルロイヤルで、ただの人間の裕也でも、否が応でも巻き込まれていくことになるのでした。