絶望の世界を撃ち抜く歌詞が熱い「black bullet」
2人組音楽ユニット・fripSideが歌う「black bullet」。
ダークな世界観の歌詞が特徴的な曲です!
またボーカルとは別に声楽隊を取り入れていて、とても壮大なメロディになっています。
タイトルの意味は「黒の弾丸」ですが、一体この弾丸は何を表しているのでしょうか。
これはこの曲が起用されたアニメ「ブラック・ブレット」との関係をお話ししなくてはなりません。
アニメ「ブラック・ブレット」のオープニング曲
「black bullet」はアニメ「ブラック・ブレット」のオープニングに起用されました。
この作品のために書き下ろされた曲であるため、タイトルも同じ名前に合わせています。
「ブラック・ブレット」の原作はライトノベルで、2014年に放送されました。
パンデミックにより、人類が窮地に追いやられた近未来の日本が舞台。
脅威におびえる人間と、人間を怪物にしてしまう寄生ウイルス「ガストレア」との戦いのお話です。
そのため「black bullet」の歌詞の中には作品の世界観、主人公やヒロインのキーワードがちりばめられています。
ところどころ厨二心をくすぐるワードが使われているのも、主人公が高校生だから。
主人公である少年の目に映る世界が、「black bullet」で展開されているのです。
「君」といることで希望を見出せる
閉鎖的な暗い世界で
ひび割れ壊れゆく 世界は果てしなく
未知なる創造が いま秩序を無くしてる
重ね合う痛みが 繰り返す現実
君との毎日が その闇に意味を投げた
出典: black bullet/作詞:Satoshi Yaginuma 作曲:Satoshi Yaginuma
出だしは自由に生きることができなくなった世界を表した歌詞です。
「ブラック・ブレット」の世界だと考えた方が自然でしょう。
つまり、ウイルスから身を守るために限られた範囲内でしか生きられなくなった人類の世界のことです。
現実でも、世界はどこか暗くて閉鎖的。
その上いつも誰かが辛い思いをして傷ついていくような世の中になってしまいました。
ですが、そんな絶望しかない世界で一つの事柄が波紋のように変化をもたらします。
それが「君」という存在。
「ブラック・ブレット」でいうとヒロインのことですね。
主人公とヒロインはお互いに相棒であり、一緒に暮らしています。
いつでも隣にいるパートナーとの生活が、この現状を打開する道しるべになっていくのではないでしょうか。
現実を貫く銃弾
指し示した道を 輝かせたいから
黒い銃弾がいま全てを撃ち抜く
出典: black bullet/作詞:Satoshi Yaginuma 作曲:Satoshi Yaginuma
相棒のおかげで、世界を地獄から変えられる手掛かりが見つかりました。
それなら次はそこへ向かって走り出せば良いのですが、これって簡単なことではありません。
せっかく見つけた道筋が、現実の辛さに紛れてしまうことだってあるからです。
であれば目印をつけたり、自分の見つけたものが良いものであることを証明したりしたくなるでしょう。
さらにこの暗い世界に一筋の光を灯したい、という意味も含まれているように思えます。
色々な意味と目的を乗せた黒い弾丸が、現状を撃ち抜き貫くのです。
「君」と掴む未来
赤く燃える その眼差しに 熱く響く 命の鼓動
強く深く 貫いていく 真実を(black and red bullet!)
傷だらけの心燃やして 君と明日を切り開きたい
この躰(からだ)に全てを込めて 闘うよ black and red bullet!
希望を信じて
出典: black bullet/作詞:Satoshi Yaginuma 作曲:Satoshi Yaginuma
1番目のサビです。
1行目の歌詞前半は「ブラック・ブレット」のヒロインの特徴を描いています。
彼女の目は赤いのですが、これには深い理由が。
「ブラック・ブレット」に登場するウイルスは、妊婦が接触すると赤ちゃんにも影響が出ます。
そうして生まれた子供は遺伝子の変化により全員女性となり、瞳の色が赤くなるのです。
彼女らはウイルスを体内に持ち、一般的に「呪われた子供たち」と呼ばれています。
赤は炎を連想させる色なので、歌詞もこのようになっているのでしょう。
赤と黒という2つの色が、この曲と「ブラック・ブレット」の作品観を象徴する色。
この後の歌詞も、赤と黒にまつわるワードが何度も登場します。
希望を求めて2人で戦い、たとえ傷だらけになっても諦めない不屈の心が歌詞に込められています。