『終わりのセラフ』とは

終わりのセラフOP曲(全2曲)をフル歌詞付きで徹底解説!美麗オープニング映像も全部見せます!の画像

壮大な世界観

ある日突然、未知のウィルスによって世界は滅びた

生き残ったのは、何故かそのウィルスに感染しないとされている、13歳以下の子供たちだけ。

しかしその子供たちも、地の底より現れたという吸血鬼に囚われ支配され、地下で死なない程度に血を摂取されながら生きているだけで──。

主人公は親に捨てられ、8歳の頃から孤児院で育ち、そこで出会った子供たちを家族のように思って大切にしてきた。

だからいつか吸血鬼を殺し、「家族」と再び幸せに暮らすために強くなりたいと思っていた。

一方、主人公の親友は、自分を犠牲にしてまでも吸血鬼の中でも上位にいる「貴族」に取り入り、「家族」を逃がすための手段を練っていた。

やがてその逃亡計画を決行するが、それもすべて吸血鬼の手のひらの上の出来事であったようで、「家族」は全員目の前で殺され、親友は主人公だけでも外へ逃がすために身体を張る。

後ろ髪をひかれながらも、なんとか吸血鬼の支配下から逃げ出した主人公が見たのは、想像していたのとはまったく違う世界で──そして、大人がいた。

「家族」や親友への復讐心にだけ取り憑かれた主人公は、吸血鬼が殺せるという言葉を信じてついていき、とある組織の一員となる。

そしてさまざまな困難を乗り越えて力を得て、仲間を得て、吸血鬼に効果があるという武器も得た。

ところが、多くの吸血鬼を殺し、「家族」の仇を討つために戦いに身を投じていく主人公の前に、かつて死んだと思っていた親友が、吸血鬼と化した姿で現れる

吸血鬼は殺したい──親友は殺せない──そんな葛藤の間で揺れる主人公の気持ちをよそに、とある組織では何かとんでもない計画が進んでいるようだった。

誰が敵で誰が味方なのか?

誰を守り誰を殺せばいいのか?

吸血鬼だけではなく、心の中には鬼や悪魔や天使までもが現れて、主人公を惑わせる。

正義と悪の線引きは曖昧なまま、主人公は己の道を切り開いていくために仲間と力を合わせ、自分の進むことを決めるのだが──?!

 

……とまぁ、このように、要約しようにもしきれないほどの壮大な物語の概要を持つのが『終わりのセラフ』です。

原作は、かつてアニメにもなった『いつか天魔の黒ウサギ』を代表作とするラノベ作家・鏡貴也氏。

コミックを手がけるのは、主にラノベや雑誌のイラストや挿絵を描くイラストレーターであり、アニメ化もされた『紅 kure-nai』などのコミカライズも手がけた漫画家でもある山本ヤマト氏です。

またこの作品は、鏡貴也氏にとっては初めてとなる、漫画用に書き下ろされた原作でもあるのです。

本編はコミックですが、鏡貴也氏によって書かれた小説版では、時代軸を遡ったり、メインに据える人物を変えて同じ物語を違う視点で描いているということも特徴でしょう。

『終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅(カタストロフィ)』や、『終わりのセラフ 吸血鬼ミカエラの物語』などがあります。

さらには『終わりのセラフ 一瀬グレン、19歳の世界再誕(リザレクション)』など、出版社の垣根を超えて大きく展開されています。

そのシリーズ累計発行部数は700万部を突破しているといいますから、この世界がどれだけ大掛かりな構成で成り立っているのかがおわかりいただけるのではないでしょうか。

アニメは第2クール以降はまだ制作されていませんが、いつ続きができてもおかしくない形で終わっていますので、今でも期待しているファンも多くいます

魅力的なキャラクター

終わりのセラフOP曲(全2曲)をフル歌詞付きで徹底解説!美麗オープニング映像も全部見せます!の画像

主人公は百夜優一郎

少年漫画では重宝される、短気なくせに義理人情に厚く、強気で自信家な熱血漢です。

当然ながら、この物語は、優一郎の成長の物語という側面もありますね。

その親友であるミカエラは、頭が良くて誰よりも優一郎のことを大切に思っている、現・吸血鬼で元・人間

吸血鬼を倒す部隊での仲間となるのは、泣き虫弱虫を克服していく早乙女与一や、優一郎とは同族嫌悪のような君月士方、何かしら謎の多い柊シノアやツンデレお嬢様の三宮三葉たち。

優一郎を自分の部隊に引き込んだくせに、奔放でいい加減でカッコ良くてめっぽう強い一瀬グレンは、さらに深い謎や秘密を抱えているようで、物語のキーパーソンと言えます。

吸血鬼で一番登場頻度の高い、第七位始祖で貴族のフェリド・バートリーは、ミカエラが幼い頃からご執心。

第三位始祖と呼ばれるクルル・ツェペシは、吸血鬼の都市サングィネムを支配する女王ながらも、フェリドとは険悪です。

しかし何故か、ミカエラや優一郎には協力的な一面があるという伏線も気になるところ。

他にも多くの魅力的なキャラクターが存在し、人間はお互いに切磋琢磨し合って吸血鬼に挑み、吸血鬼は何やらさらに良からぬ計画を立てている様子。

アニメでは最終的に「どえらいこと」になりますが、あえて触れないことにしておきますね。

第1クールは無印

タイトルは『終わりのセラフ』

当然ながら、タイトル通りです。

まずはそのプロモーションビデオを2本ご覧ください。

終わりのセラフPV/Seraph of the End Official Trailer

終わりのセラフPV2/Seraph of the End Official Trailer 2

だいたい誰がどのキャラクターか、わかりますでしょうか?

OP曲は「X.U.(エックスユー)」

さまざまなジャンルの楽曲作曲や編曲、作詞なども手がける音楽家の澤野弘之氏による、ボーカルプロジェクトの第4弾がこの「X.U.」です。

歌手名は「SawanoHiroyuki[nZk]:Gemieとなっており、澤野弘之氏がYouTubeで出会ったという新人ボーカリストのGemie(ジェミー)をゲストボーカルとしています。

また、第1クールのED曲では、男性ボーカリストのYosh(ヨシ)を迎えて「scaPEGoat」という楽曲も披露していて、OP曲とはまったく違うテイストを見せていますよ。

それでは先に、OPのアニメ動画を見てみましょう。

終わりのセラフ OP1

重要キャラクター総出ですね。

では、すべてが英語で作詞されている歌詞を見ていきます。

I don't want nobody to get killed
I'll come and get you
I am always ready to fight

出典: X.U./作詞:Benjamin&mpi 作曲:澤野弘之

So don't take all of the blame we were all swept away
Don't take all of the weight. You always do
There will always be something you cannot control
We will overcome. Your salvation has begun

出典: X.U./作詞:Benjamin&mpi 作曲:澤野弘之

全体を見るとよりわかりやすいのですが、これは優一郎がミカエラのことを想った曲のようでもあり、またミカエラが優一郎に抱いている想いも込められているように感じます。

 

    僕は誰も死なせたくない

    きみを迎えに行くよ

    もう戦う準備はできてるんだ

 

    だから僕たちが一掃された責任を背負わないで

    重荷のすべてを背負わないで きみはいつもそうするんだ

    きみが制御できない何かがいつもあるだろう

    僕たちは打ち勝つんだ きみの救いが始まった

 

……という感じの訳になります。

引き続き、以下。