余裕がない僕だけど
Full of never ending stories in this never-ending universe
But I'm keeping pretty busy minding mine,
and no time to care the others
出典: NEVER EVER ENDER/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
サビの英文の前半です。
高校生が習うレベルの英文ですが念のために意訳を添えましょう。
「決して果てがないこの世界は終わりのないストーリーでいっぱい
でも僕は自分自身の患いごとで何とも忙しいままで
他人のことを気遣う時間などないんだ」
宇宙や世界というものは無限です。
そこにあるあらゆる事物やそれにまつわるストーリーにしてもきりがないものでしょう。
僕はそのことをハッキリと自覚します。
しかし生きている僕は自分の生活の上での些細な物事で頭がいっぱいになってしまうのです。
他人のことも、またこの世間のことも関わることができないくらいの余裕のなさを自覚します。
私たちの生活というものもおよそこのような感じではないでしょうか。
自分のことに汲々としてしまって出口が見えないままに生きています。
現代人というのはこれほど他者に対しての気遣いというものができなくなっているのです。
もちろん私たちはそれがいいことだとは少しも思っていません。
僕にしてもこのままではいけないということに気付いています。
サビの後半を見てください。
僕たちの永遠のために
Only if we unite our stories yours and mine
Why don't we make our own eternity?
出典: NEVER EVER ENDER/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
ここでも意訳を添えておきましょう。
「君のストーリーと僕のストーリーを固く結びさえすれば
ねえ僕たち自身の永遠というものを創造してみないか?」
他の人の夢をバカにして自分の思いを大事にしていた僕の姿はもうありません。
君という存在をきちんと意識することで僕の思いは変わってきたのです。
君も多くの他人のうちのひとりでしょう。
しかしどこかで親しさを感じるからこそ僕は君を自分の側に引き寄せて考えることができます。
他者のうちでも顔の見える存在である君のことは大切に感じられるのです。
僕の想像力はここからきちんと機能し始めます。
君との未来について僕は様々な思いを展開することができるのです。
ここでの君は僕の愛するひとという設定でしょう。
ただ、もっと広く解釈するとリスナーのことを君と呼んでいるはずです。
RADWIMPSとファンとで新しいストーリーを生み出してゆこうと野田洋次郎は願っています。
格差社会に抗う
僕はいつだって考え中だから
頭の中いつも騒がしくて そこでだけは日々大演説で
世に溢れるは成功者達の言葉 いつだって
敗北者にマイクは向けられない
出典: NEVER EVER ENDER/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
僕は絶えず悩み続けています。
私たちは考えるときにも脳内で言葉を響かせているのです。
そのために盛んに思考しているときは頭の中でちょっとした騒ぎが起こっているように煩いでしょう。
僕はそうした在り方を演説というものに喩えています。
どうしよう、ああしようと様々なアイディアが僕の頭の中で騒ぎ立てるのです。
まだまとまった思考というものが訪れません。
僕はいつだって考え中であり、成長途上の青年なのです。
もっと声を上げてもいいから
この世界は基本的に勝者が牛耳っています。
成り上がったもの、予め富んでいるものの言説で世界はあふれかえっているのです。
世界中で格差社会というものが深刻な社会問題になっています。
この日本社会にしても格差社会の進行は怖ろしい状況です。
僕は社会の下層にいる存在でしょう。
勝ち組の数は少なく、負け組の数の方が圧倒的なのです。
しかし数で圧倒的な存在感がある負け組の言葉を大切にする風潮はありません。
それが社会というものだと諦めてしまっていいのかという思いを僕は滲ませるのです。
負け組にだって語るべきストーリーはあるのではないかと歌っているようでしょう。
もちろん僕はこのまま負け組のまま甘んじる気もありません。
ただ、社会にある不公正な言葉の在り方には我慢ができないのです。
私たちはもっと進んで自分の言葉を語るべきなのかもしれません。
そしてそのことを自覚して実行に移すのがアーティストの本分だと野田洋次郎は考えます。
最後に RADWIMPSとある未来
ライブ会場での結束のように
あの鮮やかに光るは この手を目一杯に
伸ばした指先 かすめてく世界
こんな夜は君といれたら
届きそうな気がした
出典: NEVER EVER ENDER/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎