Sou
「浮遊感」の歌詞を読む
不安ばっか 運んだって
何の役に立つわけじゃないし
辛いなって ぼやいたって
誰の耳に届くわけでもないなあ
出典: 浮遊感/作詞:はるふり 作曲:はるふり
しんどい時や不安な時に、そう言葉を口にするだけで話す方は楽になることがあるかもしれません。
またネット上に生きることのしんどさを匿名で書きこんでしまうこともあるでしょう。
そういうことに対して、不安ばかり運んでも仕方ないと歌われています。
辛さを誰かに受け止めて欲しいけれど、そういう辛さを本当に伝えたいわけではないのでしょうね。
既住ばっか 咎めたって
過去を変えられるわけじゃないし
暗いなって 言われたって
性格まで責められたくはないなあ
出典: 浮遊感/作詞:はるふり 作曲:はるふり
既往とは「過ぎ去ってしまったこと」という意味です。
過去を咎めても仕方がないと考えているのでしょうね。
また暗いなと誰かに言われても性格は変えられないと歌っています。
今だってうまく生きられないのに
将来なんて見据えられんから
躍起になってあがいてみるけど
どうにも地に着かないな
出典: 浮遊感/作詞:はるふり 作曲:はるふり
サビはシンプルな心情の吐露ですね。
今だってうまく生きられないのに、将来みたいなそんな未来のことまで考えられない。
もちろんがんばって足掻くけれど、どうにもならないなぁという多くの人が思うことを歌っているのではないでしょうか?
何年も先に何をしているのか? 誰だってわからないし、ましてや曲を作ったり、歌ったりということは地に足のついた生き方ではありません。
でもどこかで生きづらいことを歌う自分がいるのでしょう。
抱く閉塞感 纏う倦怠感
未だ成年は浮かれてたい
出たいなって 叫んだって
動く勇気があるわけじゃないしなあ
出典: 浮遊感/作詞:はるふり 作曲:はるふり
社会に閉塞感があり、それを変えてしまうぐらいの気力はなく、ただだるい感じが身体にこびりついています。
楽しいことをして浮かれていたい。
そして何処かへ行きたい。 でもそういう思いを歌えても、どこかへ行くこともできません。
今だって絶えず泳いでいるのに
休憩なんて息も継げんから
躍起になって藻掻いてみるけど
どうにも手に付かないな あぁ
出典: 浮遊感/作詞:はるふり 作曲:はるふり
人生を海で泳ぎ続けることにたとえているのでしょう。
のんびりとすることもできません。
どうにかしたいと思っているから足掻いているけれど、どうにも何も手につかない。
この歌の辛さってわかるような気がします。
みんながんばれと言うし、だからがんばっている。
辛いけれど、それを言葉にせず、じっとがんばっている。
どこかへ行きたいけれど、どこへ行けばいいかわからない。
でもがむしゃらというわけでもない。
「浮遊感」というタイトルの意味
地に足をつけて生きているよりは、少し浮いている。
これは意識がどれぐらいの高さにあるのかということだと思います。
この少し浮いている感じはちょうどよい高さだとある作家が言っていました。
でももしそれが10代や20代だったら、自分とまわりの違いに少し苦しむかもしれません。
学校や社会では同調することが求められるからです。
そういうみんなに同調しきることもできず、自分なりの何かもみつけられない。
自分の外界と内界の間で、生きづらさを抱えている。
そういう辛さはみんなそもそもは持っているかもしれないけれど、いつの間にか社会の側で社会的な正しさみたいなことを言うようになる友人とかがいると、なぜかとても辛かったりします。
昔は友だちだったのに、いつの間にか距離が生まれている。
そういう周囲との距離に苦しむ感じはよくわかります。
ここで描かれている浮遊感は、少し苦しい浮遊感です。
自分がまわりと違って少し浮いている。 でもそういう感覚があるということは、自分というものがあるからだと筆者は思います。
そしてそういう辛さを運びたいわけじゃないというところに、本当はどうしたいのかというヒントが隠されている。
そういう歌であるように思います。
しみじみ聞き入ってしまう歌ですね。
最後に
はるふりが作ったこの曲が歌い手・Eveやsouが歌うことによって輝きを増し、多くの人に届いている部分って良いことだなって思います。
なんでも自分だけで作れてしまうこともあるから、だからこそ人と演奏するバンドが大切だと思いますし、誰かが自分の歌を歌ってくれることの良さがあるのではないでしょうか?
曲を聴いたり、詩を読んだりする理由のひとつに、ほかの人はどう考えているかという知りたいという気持ちがあり、少しでも共感できるものに出会えたら、きっと自分はひとりではないと思えるのだと思います。
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