押し寄せる後悔の波
生まれ落ちた瞬間に
罪を背負った僕らの抵抗
救いの舟はもう来ないと知っていた
春になって僕は捜している あなたの陰を
いつの日かまた逢いに行くよ
出典: 春が終わる前に/作詞:渡井翔太 作曲:渡井翔太
1番のサビとなるこの部分。
ここで「僕ら」から「僕」へと視点が移りました。
ネタ的に言うと「生まれてきてごめんなさい」なのでしょうが、そういう意味ではなさそうですね。
ただ、それほどの事をしたのは事実でしょう。
その事に後悔はしていますが、それは誰かに助けてもらうものではありません。
「僕」自身で解決するものです。
そして、これまで過去形だったものが「春になって」からはずっと現在形で語られています。
つまり新生活が訪れる度に「少女」の姿を探そうとしているのかもしれません。
そして、その「少女」を見つけるという名の願望を叶えるまでそれはずっと続きます。
ここまでするということは、「僕」にとって「少女」は大切な存在なのかもしれません。
優しい世界
傷を負って生きていく事すら
罰を受けている様で
ある日 ありもしないけど
架空の世界を作った
僕らは明くる日も迎えの船を待っては
時間ばかりを食べ散らかしていた
出典: 春が終わる前に/作詞:渡井翔太 作曲:渡井翔太
いなくなってしまった大切な人(少女)。
その原因の一つが自分にあるとして生きていることすら罪深いと感じている「僕」。
いままでの「僕ら」は「僕とその他」だったと思いますが、ここでは「僕と少女」です。
だからこそ、大切な人が傍にいるという世界を妄想しているのでしょう。
そこではただひたすら、二人の何気ないやり取りが繰り広げられています。
想いの叫び
行き場のない心が咽び泣いて言う
「ここではないどこかへ逃がして欲しい
春が終わる前に」
出典: 春が終わる前に/作詞:渡井翔太 作曲:渡井翔太
ここでようやくタイトル回収となりましたね。
空想と現実の世界を繰り返し見たことによって「僕」の心が荒み始めました。
そして、「春が終わる=新生活に馴染む」ということだとすると、「少女」の存在が新生活にいない事実を馴染ませたくないのでしょう。
だからこそ、そんな現実が馴染む前に逃げ出したいのです。
ずっと残り続ける苦い記憶
少女の飛ぼうとした空へと
抑え込んでた思いが放たれていく
さよなら ごめんな また逢えるだろうか
忘れやしないさ いつかの青春を
出典: 春が終わる前に/作詞:渡井翔太 作曲:渡井翔太
この部分は、あまり解釈しすぎるのは蛇足になってしまうでしょう。
これまで辿ってきた「僕」の想いがここには込められています。
そして、それが自然と自由な空へと流れ込んでいきました。
ずっと想う気持ち
生まれ落ちた瞬間に
この未来も決まったろうか
誰の呼ぶ声も聞こえないふりをした
春が散って季節は繰り返す
あなたを今も
出典: 春が終わる前に/作詞:渡井翔太 作曲:渡井翔太
「少女」をひたすらに想い続ける「僕」の気持ちが描かれています。
誰の声にも耳を貸さず、「少女」と再び逢える日を待ち望む「僕」。
その姿は「少女」に届くのでしょうか…?
背負う覚悟
生まれ落ちた瞬間に
罪を背負った僕らの抵抗
救いの舟はもう来ないと知っていた
春を待って僕は捜している あなたの陰を
もう二度と離してしまわぬように
いつの日か また逢いに行くよ
誓いを背負って
出典: 春が終わる前に/作詞:渡井翔太 作曲:渡井翔太