井上陽水【カナリア】歌詞の意味を徹底解釈！人々がカナリアに求めたものとは？鳥籠の中の記憶を紐解く

個性的な歌詞とメロウな楽曲で、さまざまなアーティストに影響を与え続けている井上陽水。

そんな彼の歌詞の魅力が凝縮されているのがカナリアです。

哀愁漂うメロディを独特の譜割で歌い、聴く人にカゴの中のカナリアの気持ちを問いかけます。

曲はどんなメッセージを孕んでいるのでしょうか。

歌詞を紹介しながら、どんなシチュエーションかを考察し、意味を読み解いていきます。

この曲を知っている人も知らない人も、井上陽水の歌詞の魅力にハマってみてください。

井上陽水のカナリアはいろいろなアーティストにカバーされています。

2019年には池田エライザも番組でカバーして話題になりました。

井上陽水が歌うカナリアも素敵ですが、彼女が歌うバージョンもまた違った雰囲気で味わい深いです。

カナリアという楽曲が好きな人はぜひ聴いてみてください。

そして、他の人が歌っているのを聴いても歌詞に聴き惚れてしまいます。

これはカナリアの歌詞が、普遍性と芸術性を秘めている証明だといえるでしょう。

冒頭から哀愁が漂っています。

井上陽水らしさ全開ですね。

1〜2行目はカナリアの現状を歌っているのですが、アイロニカルな表現ですね。

ポジティブな意味はほとんど感じられません。

メロディの暗さも手伝って、マイナスなイメージ全開です。

カナリア、お前は哀れだね。

自由なんてないのだろう。

そういう気持ちで歌っているのでしょう。

カナリアと遊女をかけているような印象も受けます。

どちらも自由を失う代わりに、対価を得るからです。

カナリア=女性と捉えると、曲の歌詞に深みが増すでしょう。

なぜ彼女は、自由を失ってしまったのでしょうか？

そうならざるを得ない事情があったのでしょうか？

さまざまな疑問が浮かんできます。

盗賊やプリンセスが出てくるので「アラビアン・ナイト」などのファンタジーを想像してしまいますね。

盗賊と、まったく身分の違うプリンセスが恋をしている。

これは、好きなように生きている人々をカナリアの気持ちで羨んでいるのでしょう。

彼らは自由に生きているのに、一方のカナリアときたら。

歌詞の主人公はそんな気持ちを抱いていそうです。

また、ファンタジーの登場人物が出てきたことで、主人公は歌詞の物語の中にはいないとわかります。

カナリアの現状を俯瞰して眺めている、関係のない人物なのでしょう。

きっと彼は、カナリアに目を止めて、なぜこんなにも可哀想な存在なのかと疑問に思ったのです。

カナリアが哀れで哀れで仕方がない。

でも、カナリアの運命を変えることはできない。

そんな遣る瀬無さが、曲の雰囲気に現れているのだと思います。

だからこそ何度も名前を呟くのです。