井上陽水の偉大な足跡
はじめは売れない歌手だった
The Beatlesを聴きまくり、フォーク・クルセダーズに触発されてギターを抱え、歌を唄った陽水少年。
1969年に「アンドレ・カンドレ」という芸名でデビューするも鳴かず飛ばず。
その後、1972年に芸名を「井上陽水」に改めて「人生が二度あれば」で再デビュー。
以後、着々とヒット曲を遺していきました。
井上陽水のTOP10をご覧ください
井上陽水の華麗な功績を振り返りながら人気曲TOP10を選ぶのは至難の業です。
それも「歌詞」にフォーカスを当てるとなるとなおさらのこと。
あまりかたく考えないで「あれもこれも入れて欲しい」と思いながら読んでください。
10位はバブル経済期の若い恋
誰しもが一度は耳にしたことのある歌詞
第10位 「リバーサイドホテル」 1982年7月5日シングル発売 1988年10月21日シングル再発売
1982年のシングル発売当初は売れ行きが芳しくなかった曲です。
フジテレビ系列ドラマ「ニューヨーク恋物語」の主題歌になり、1988年に再発売してヒットしました。
バブル経済期の雰囲気とともに覚えていらっしゃる方も多いかと思います。
若い方もどこかで聴いたようなメロディと歌詞にあっと想うでしょう。
誰も知らない夜明けが明けた時
町の角からステキなバスが出る
若い二人は夢中になれるから
狭いシートに隠れて旅に出る
昼間のうちに何度もKissをして
行き先をたずねるのにつかれはて
日暮れにバスもタイヤをすりへらし
そこで二人はネオンの字を読んだ
ホテルはリバーサイド
川沿いリバーサイド
食事もリバーサイド
Oh リバーサイド
出典: リバーサイドホテル/作詞:井上陽水 作曲:井上陽水
有名な歌い出しとサビです。
シュールですが享楽的な都会の恋愛をうまく描写しているのはさすが。
「リバーサイドホテル」がどこの街をモデルにしているかは定かではないです。
色々な街にこのようなホテルがあるような気がします。
だからこそ、この時代のリスナーは歌詞世界に没入できたのかもしれません。
いまではちょっと贅沢に響きます。
ホテルで愛し合わなくてはいけない若い恋愛が少なくなっている草食化の進行。
中々、回復しない景気。
この曲といまの時代の乖離の理由を想い浮かべると少し寂しい気分になります。
9位は遠距離恋愛の悲哀
歌い出しの一行が胸に迫る
第9位 「心もよう」 1973年9月21日 シングル発売 アルバム「氷の世界」収録
遠距離恋愛の難しさを嘆き歌う悲しいラブ・ソングです。
アコースティック・ギターのアルペジオに続いて響き出す鍵盤楽器やエレキ・ギター。
物語が始まります。
ベーシストは細野晴臣。
さみしさのつれづれに
手紙をしたためています あなたに
黒いインクが きれいでしょう
青いびんせんが 悲しいでしょう
あなたの笑い顔を
不思議なことに
今日は覚えていました
十九になった お祝いに
作った歌も忘れたのに
出典: 心もよう/作詞:井上陽水 作曲:井上陽水
歌い出しの一行が心に沁みます。
一瞬にして歌詞世界に引きずり込まれるのです。
孤独と孤独の行き違い。
遠距離恋愛はいつの時代も大変ですが、SNSなど影も形もなかった時代の苦労はなおさらでしょう。
非凡な詩的センス
さみしさだけを 手紙につめて
ふるさとにすむ あなたに送る
あなたにとって 見飽きた文字が
季節の中で うもれてしまう アア
出典: 心もよう/作詞:井上陽水 作曲:井上陽水