「三日月」は涙を誘うラブソング
GADOROの実体験
売れないミュージシャンを献身的に支える彼女…。
そんなドラマのような実話を綴ったGADOROの「三日月」を、今回はピックアップしました。
歌詞には彼らしい直球のメッセージが込められています。
自分の過去を自嘲するような歌詞が多いGADORO。
今回も後悔や罪悪感が垣間見えるのですが、少し違う点があります。
温かい愛情がほのかに感じられるのです。
GADOROが語る恋愛の記憶を一緒に辿りましょう。
涙を誘うはずですよ。
MVをチェック
思い出が再現される
![](https://img.youtube.com/vi/S-6nxJ5lJWI/0.jpg)
「三日月」は2019年3月6日に発売されたアルバム「SUIGARA」の収録曲です。
そして、こちらが公開されたMV。
当時付き合っていた彼女とのやりとりが鮮明に再現されていますね…。
リアルだからこそ、言葉が深く突き刺さります。
現在のGADOROが過ごす部屋で回想される過去のやりとり。
この部屋は2人が愛を育む場所だったのですね。
でも今はもう女性の姿がありません。
悲しい別れの曲であることが分かります。
では、歌詞の内容を詳しく見ていきましょう。
彼女からの一途な愛が苦しい
「三日月」はラブソングですが、まず最初に自嘲が続きます。
彼女からの深い愛情。
それに対して自分はこんなに情けない…。
自分の不甲斐なさを余すことなく独白するからこそ、冒頭から心を奪われることでしょう。
情けなさと愛情
バッグすらも持てない飯さえも奢れない
女の心なんて読めたためしはない
気遣いもままならぬニート兼ラッパー
Wassupカップ麺2人で分けような
糸よりも紐で結ばれている
貧乏なB-BOYを支えた美女
治験のアルバイトは身体が危ないと
心配し借りた三万がまず最初
出典: 三日月/作詞:GADORO 作曲:PENTAXX.B.F
GADOROはなかなか音楽で食べていけず借金を抱えていました。
そのため、付き合っている彼女とのデート代を出すこともできません。
そして自ら「気遣いができない男」と歌っているのです。
さらにGADOROの独白は続きます。
自分の身体を新薬などの実験台として提供する「治験のアルバイト」で収入を得ていたようです。
確かにこれはお金に困った時の収入源としてよく語られます。
でも、間違いなく危険な行為。
心配した彼女は、危ないアルバイトをしなくて済むようにお金を貸したのでした。
そして、GADOROもそれを受け取ったようです。
ここからは、自分の情けなさへの後悔が読み取れます。
さらに、彼女の一途な愛情も感じられるのではないでしょうか。
「三日月」の意味とは?
必ず返す保証のない俺を信じ
音楽に掛ける俺に賭けてくれたんだ
野口樋口諭吉も俺に舌打ち
爪の先噛みちぎり出来た三日月
それでもあんたならやれると
口元に出来たその満面の三日月が
俺を照らしてくれた
下手クソなletter破れるな
出典: 三日月/作詞:GADORO 作曲:PENTAXX.B.F
先ほど「借りた」と表現していました。
ですが、そもそも収入源がないと返すことは叶いません。
収入源がないのは「音楽だけ」で食べていきたいという選択の結果です。
情けなさに噛んだ自分の爪。
ちぎれた爪の形は「三日月」と同じでした。
そして応援してくれる彼女の満面の笑みを見て、口の形を「三日月」と表現。
タイトル「三日月」には2つの意味が込められているのだと思います。
自分への悔しさと、眩しい彼女です。
最後の「letter(=手紙)」は彼女に宛てて書いたものでしょうか?
こんな自分だから愛してはいけない、と言い聞かせているようです。