忘れはしないよ 時が流れても
いたずらなやりとりや
心のトゲさえも 君が笑えばもう
小さく丸くなっていたこと
出典: 楓/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
そして、繰り返し歌われるサビ。「僕のままでどこまで届くだろう」というフレーズが何か引っかかるのです。
さよなら 君の声を 抱いて 歩いていく
ああ 僕のままで どこまで届くだろう
出典: 楓/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
「僕のまま」というのは、「自分らしい自分、変わらない自分」ということなのでしょうか。
年齢を超越したような飄々とした草野マサムネが「僕のまま」と歌うとき、時間を飛び越えた「永遠」を見せられているような感覚になるのです。
私はスピッツの歌を「すてきな言葉を並べて作ったイメージの集まり」として聴いています。
次に紹介するのは私が『楓』でいちばん好きなフレーズです。
探していたのさ 君と会う日まで
今じゃ懐かしい言葉
ガラスの向こうには水玉の雲が
散らかっていた あの日まで
出典: 楓/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
「”今じゃ懐かしい言葉”を君と探していた」とか、「”あの日”まで水玉の雲が散らかっていた」とか、なぞかけのような言葉です。
この思わせぶりこそが草野正宗の真骨頂だと思いますが、いかがでしょうか。
断片的なイメージを1つにする音の力
メロディーがつき、そしてバンドのサウンドが音を組み立てて、初めてスピッツ独自の世界ができあがるのです。
三輪テツヤのハードなギターと田村明浩の変態とも称される動き回るベース、どんな曲調にでも合わせられる確かな技術力を持った崎山龍男のドラム。
聴いただけで「あ、スピッツの音」とわかるサウンドがあってこそ、言葉のイメージの世界がまとまりの持った歌になれるのはないでしょうか。
『楓』が長く愛される理由
『楓』が長く愛されるのはなぜでしょうか。
ふわふわと揺れるような浮遊感と、信じていいのかどうかわからない「永遠」がそこにあるから、と私は考えています。愛される理由も愛する人の数だけあると思います。
『楓』を聴いてスピッツが好きになった人には、他の曲もどんどん聴いてほしいですね。
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