ピンチで芽生えた想い
しかし、3年E組には殺せんせーを殺すための刺客が送り込まれ、ついに刺客に殺せんせーを殺されそうになった時、生徒たちの心には悔しさがこみ上げます。
それは「殺すなら自分たちの手で」という、殺せんせーとの絆の現れでした。
人任せにしていた生徒たちが、ついに自分たちの意識で暗殺したいと考えるようになったのですね。
しかもそれが恨みや憎しみではなく、殺せんせーが大好きだからという理由で、というのが深いのです。
暗殺を描きながら、しっかり人間愛を描いているところが「暗殺教室」のすごいところですね。
気になるパート分けを一挙紹介!
「自力本願レボリューション」は渚、業、茅野、磯貝、前原という、3年E組のうた担5人の、混声合唱曲です。
1人1人、キャラクターの性格はまったく違いますし、声質も違いますから、一緒に歌うと、それぞれの個性が際立ってよいですね。
とは言え、歌い分けされているとなると、一体誰がどこの歌詞を歌っているのか気になりますよね?
では、気になるパート分けを一挙ご紹介しましょう!歌詞とキャラクターの声、性格にも注目して聴いてみると楽しいですよ。
「暗殺教室」ならではの号令
(全員)「起立。礼。ロックオン!起立。礼。ロックオン!
oh yeah せん・せー ターゲットオン」
出典: 曲名/作詞:藤林聖子 作曲:鳴瀬シュウヘイ
まず、「自力本願レボリューション」で最も大きな特徴は、学校という環境に合わせた号令ですよね。
歌い出しから全員で歌う「起立。礼。ロックオン!」は3年E組という暗殺教室を最も端的に表しているのではないでしょうか?
いくら暗殺教室と言えど、生徒たちは教室で、勉強もちゃんと学びます。
たとえ担任の先生が黄色いタコ型超生物であろうとも、マッハ20で飛び回ろうとも、先生であることに変わりはありません。
だからこその「起立。礼。ロックオン!」なのですよね。
曲の中に度々登場するこの号令が、耳に心地よく、癖になってしまう人も多いのではないでしょうか?
3年E組という環境
(渚)ポテンシャル高い
(業)ほどメンドくさい
(前原)ドロップアウト
(磯貝)メンタリティー
(茅野)非日常を凌駕し
(業・磯貝・前原)僕らはうたた寝顔して
(渚・茅野)ナイフ隠し持った
(全員)「起立。礼。ロックオン!」
出典: 曲名/作詞:藤林聖子 作曲:鳴瀬シュウヘイ
この箇所の歌詞は、3年E組に落とされた生徒たちのやるせなさや虚しさ、周囲への後ろめたさや恨みなど、彼らが抱えているコンプレックスが的確に表現されています。
まさに普通の教室から「ドロップアウト」してしまった彼らが歌うからこそ、リアリティがあるのです。
個性とハーモニーが美しいパート
赤羽業、磯貝悠馬、前原陽斗のハーモニーと、潮田渚と茅野カエデの高音コンビ。
どちらもハモりが美しく、声質もぴったり合っています。声のバランスが絶妙にいいから、ついつい曲にも聴き入ってしまいますよね。
そして、各パートの後、さりげなく全員パートの「起立。礼。ロックオン!」が入ってくるあたりも憎い演出です。曲全体を引き締めてくれるような、独特で絶妙なパートです。
(業)ほっとけば
(磯貝)きっと誰か
(前原)やってくれると
(茅野)どこか
(渚)他人事だった…
(全員)だけど
出典: 曲名/作詞:藤林聖子 作曲:鳴瀬シュウヘイ
クラス全員がどことなく後ろ向きで、できもしない暗殺に積極的ではなかったことが、このパートで端的に描かれていますね。
3年E組には、赤羽業、自律思考固定砲台(律)、堀部糸成と、3人の生徒(業以外は暗殺者)が登場し、殺せんせーを追い詰めます。
停学処分を受けていた業が初めて3年E組を訪れ、殺せんせーにダメージを与えた時の衝撃は大きかったことでしょう。
それでも、やはりみんな、どこか他人事だったことが、短い歌詞の中に凝縮されているのです。
(渚)花の命と
(業)タイムリミット
(前原)なぜに
(磯貝)そんなに
(茅野)短い設定なの?
出典: 曲名/作詞:藤林聖子 作曲:鳴瀬シュウヘイ
ここは、少しずつ殺せんせーと良好な関係を築けるようになり、卒業までという時間期限をもどかしく感じ始める気持ちが表れています。
殺せんせーを殺すにも、あまりに時間は短すぎて、どこか切なくなってしまいますよね。
(業・磯貝・前原)挫折からのV字成長
(渚・茅野)僕ら祈るばかり
(全員)「起立。礼。ロックオン!」
出典: 曲名/作詞:藤林聖子 作曲:鳴瀬シュウヘイ