「風たちの声」の1番のサビが伝える想い
サビの前半の歌詞
笑われないくらいの愛で 変えられるくらいの世界ならば
はじめから用などない 僕には必要ない
神様早く次を僕にくれよ
出典: 風たちの声/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
「風たちの声」のサビには素敵な表現がたくさん詰まっているので前半部分と後半部分に分けて解説します。
まずはサビの前半です。
「くらい」では軽快に韻を踏んでいて、メロディがスッと体に入ってくるようです。
1行目の文章からは、とても強いメッセージを受け取れます。
「批判を受けない程度に適当に頑張ってどうにかなるなら、そんな世界は退屈だ。」
裏を返せば、歌詞の主人公は批判覚悟で物事に立ち向かっていこうとしているのでしょう。
精一杯努力できる環境に身を置きたいという、若さあふれるちょっとクールな表現ですね。
神様に挑戦しているようなイメージが浮かんできます。
サビの後半の歌詞
みっともないくらいの声で ありえないくらいのこの気持ちを
僕に叫ばせてよ (叫ばせてよ) 腐らせないでよ (捨てないでよ)
僕らの持て余した勇気を 使わせてよ
出典: 風たちの声/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
みっともない声とはどんなものでしょうか。
叫び過ぎて声が枯れているのかもしれません。
掠れて声が出なくなってしまったとも考えられます。
主人公にとっては身を賭して行動するくらいが丁度いいのでしょう。
ボロボロになっても立ち上がって歌っているようでかっこいいですね。
さて、次の言葉は一体どういった状態を表しているのでしょうか。
腐らせないでよ
出典: 風たちの声/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
この言葉は、一見すると、相手にも自分と同じ気持ちを持ち続けてほしいというイメージ。
しかし、もう少し深く考えてみると自分自身に向けられた言葉でもあるような気がします。
「僕らはそんな気持ちを一生捨てず、熱く生きていこう!」
そんなメッセージが込められているようです。
「風たちの声」2番のAメロとBメロの歌詞
2番Aメロ
色とりどりの嘘やまがいもんで 今日もこの世は輝いて
乗り遅れまいと力を込めども 空を切るような虚しさでさ
反対電車に いざ飛び乗ったよ
出典: 風たちの声/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
「世の中は偽物で作られて、うわべだけは光っている。」
世の中を風刺したような歌詞ですね。
ただ、強く批判だけしているというよりは、それはそれで仕方ないとあきらめているようにも取れます。
ちょっぴり大人な見方です。
そして続くのは、電車に乗り遅れてしまいそうな状況なのでしょうか。
次の言葉から紐解いてみましょう。
力を込めども
出典: 風たちの声/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
力を入れているので、山手線の満員電車に乗れるか乗れないかの瀬戸際のような状態かもしれません。
そうすると、次の言葉の解釈が難しくなってきます。
空を切る
出典: 風たちの声/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
他の人と体がギュウギュウに触れ合っている状態でこの表現は、なんだかしっくりこないです。
おそらく、そんなところにエネルギーを使うのは空気を切り裂くように無駄だと伝えたいのでしょう。
アイロニカルで知的な表現ですね。
頭ではわかっているけど、体がそんな世界に溶け込むことを拒否している。
そんな印象を受けます。