2番Bメロの歌詞を解釈!
夢から醒めたら 僕らの魂はシワクチャなはずだよ
それなら いっそこの夢のど真ん中で派手に使い果たしてみようよ
出典: 風たちの声/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
これまでとは打って変わってかなり切ない歌詞です。
夢を見ていた状態から覚醒しているのは、一体どんな状態でしょうか?
大人の社会にどっぷりと浸かってしまったときなのかもしれません。
周囲の圧力の中で高らかに宣言した夢や目標に敗れてしまったときかもしれません。
「いつかそんな状態になるなら、せめてそのときまでは精一杯生きたい。」
そんな心情を歌っているのでしょう。
2番のサビ
笑われないくらいの愛で 変えられるくらいの世界ならば
はじめから用などない 僕には必要ない
僕らの 持て余した正義を 使わせてよ
出典: 風たちの声/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
「風たちの声」の2番のサビの歌詞は最後の行以外は1番のサビとほとんど一緒。
“勇気”から“正義”に変わっているところ以外は同じです。
伝えているメッセージは1番と似ていますが、正義という言葉についてもう少し深掘りしてみましょう。
正義という言葉は、信念や理想という意味も含んでいます。
“勇気”という純粋な気持ちに、いろいろな想いが付随して“正義”になったのでしょう。
ただ、主人公は歌詞の中で風刺的な表現を多々しているので、当然正義が持つ皮肉さも知っていると思います。
それを踏まえたうえで、気持ちが先行する自分自身を俯瞰して見ているようです。
考えれば考えるほど深い歌詞ですね。
「風たちの声」ラストの大サビの歌詞
大サビの前半
「さよなら」のないハローと 「仕方ない」のない未来と
鍵のないドアだらけの心で
出典: 風たちの声/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
「風たちの声」は大サビ(今までとは違うメロディ)で終わる独特な構成の曲です。
そしてこの大サビ部分が歌詞のまとめだと考えられます。
多彩な表現が散りばめられていますね。
大サビ部分も少し長いので、前半と後半に分けて解説します。
まず、1行目の表現が独創的で面白いです。
「人々と出会うだけ出会って、綺麗に別れられない。」そんなストーリーが浮かびます。
しょうがないといった感情も興味深いです。
責任を先送りしている大人たちへの憤りのように感じられます。
そして2行目からは、2つのパターンがみえてくるようです。
- ドアはあるが、鍵がないので脱出できない
- たくさんあるドアの鍵が閉まらないので心の中でいろんな感情が錯綜
多重解釈できる巧みな表現だと思います。
大サビの後半
未来が得意気に僕らを 見てきてもどうでもいいや
まだ僕らにゃやることがあるから
僕らの 持て余したこの今を
僕らの こぼれそうな奇跡を 使わせてよ
出典: 風たちの声/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
“未来”は何を指しているのでしょうか?
“僕ら”がこれから歩んだうまくいかなかった未来の状況か、それとも未来の僕らそのものなのか。
ただ、未来が決まっていたとしても今の行動次第で変えられると歌っているようですね。
「若さが巻き起こす奇跡で運命を変えよう。」
そんな壮大なメッセージを受け取ることができます。
最後の行で、お願いしているような表現も面白いです。
「あと一押しだけ誰かに期待したい。」そんな感情が込められているのでしょう。
最後のまとめ
RADWIMPSの「風たちの声」を徹底解釈してきました。
この楽曲を聴いて、いろいろな光景を思い描けるようになっていただけたでしょうか。
野田洋次郎の歌詞は、単語だけみればそこまで難しくないでしょう。
しかし、一節で考えるとさまざまな解釈ができて奥深くなります。
そんなところが魅力的ですね。
最後に、RADWIMPSの他の楽曲の歌詞を解説した記事を紹介して終わります。
彼らの透明な世界観を深く探ってみてください。
人生の役に立つような新しい言葉の発見があるはずです。