泳いだ瞳
あなたの目が泳ぐ
思わず息が止まる
花弁がひとひら窓辺で踊る
出典: はるどなり/作詞:須田景凪 作曲:須田景凪
動揺することや、後ろめたいことがある。そんな時に人は目を泳がせます。
主人公は病室にいるあなたに、「どうだった?」と病状や心の様子を聞いたのでしょう。
それに対して返ってきたのが、目を泳がせるという反応でした。
あなたははっきりと病状を答えた訳ではないのでしょう。
「大丈夫だよ」と安心させる言葉を言ったのかもしれません。
泳いだ目からみても、きっと思うように状況が進んでいないのでしょう。状態は芳しくないようです。
そんなあなたの様子に、すべてを察した主人公は愕然としました。
そんな病室の窓辺で、一枚の花弁がはらりと舞い落ちます。
花は命のたとえです。あなたの命が、花弁と同じように散ってゆく。終わりに近づいている。
そんな悲痛な現状を表しているのでしょう。
もどかしさ
優しく手が触れる
少し唇を噛む
昨日よりも深く呼吸をしていた
出典: はるどなり/作詞:須田景凪 作曲:須田景凪
あなたの手が主人公の手に触れます。温かなぬくもり、確かに生きている温度を感じます。
主人公は何もできない自分の無力さを嘆き、悔しく思い、気付かれぬように唇を噛みしめたのでした。
より深くなる呼吸。
刻一刻と減っていく時間を前にして、今ある命を、この瞬間を大切にしよう。
そう思う二人の心を表しています。
闘病の日々
辛く苦しい日々
互いの気配を持ち寄る程
身動きは取れず寝苦しくなった
乾いた季節に中てられては
またしな垂れ 日は暮れる
出典: はるどなり/作詞:須田景凪 作曲:須田景凪
主人公とあなたはお互いを気遣って疲れていきます。
側に居ようとすればするほど、辛い姿や落ち込む様子を見せたくないと気を張ってしまうからです。
楽しいことを見つけようにも、重い現実がのし掛かって思うようにいきません。
そうした日々は辛いものです。
安らぎのない毎日に二人の心は砂漠のように干上がって、気持ちは暗く沈んでいきます。
水がなければ花はしなびて首をたれるように、二人もまた途方に暮れていました。
希望の言葉
擦れた記憶の眺めも
春隣を待つ期待も
今、有りのままの言葉で
出典: はるどなり/作詞:須田景凪 作曲:須田景凪
そんな中だからこそ、主人公はあなたに伝えようとした事がありました。
昔、二人で見た思い出の景色です。
二人はしばらく一緒に出かけることはできていません。新しい思い出を作ることはできません。
それゆえに、懐かしい昔の記憶をすり切れるほどたくさん語りました。
またこの眺めを一緒に見に行こうと。そんな未来の話をしたのでしょう。
そこには、この辛く凍える冬のような時が終わり、温かな春がやってくる希望が込められています。
主人公はその思いをまっすぐな言葉であなたに伝えたのです。
無情にすぎてゆく時間
あなたの背が垂れる
つられて胸が詰まる
寒い夜はただ寄り添いたい
出典: はるどなり/作詞:須田景凪 作曲:須田景凪
希望を語りながらも、現実は厳しさが続きます。
苦しみにうなだれるあなた様子をみると、胸が苦しくて仕方がないのです。
ただただ寄り添って、側にいたい。光の見えない夜を抜けて、隣で一緒に朝の日を眺めたい。
あなたを必死に支えようとする主人公の心が見えます。