めちゃくちゃに男っぽいこの楽曲ですが、カヴァーしたのは意外にも片平里菜さん。
しかし骨太なギターサウンドに定評のある彼女ですから、これがなかなかカッコいいんですよね。
ちなみにこのバージョンが収録された、12組の女性アーティストがウルフルズサウンドをカヴァーした『ウルフルズTribute~Best of Girl Friends』は、おすすめのアルバム。
女性の柔らかく高い声音で綴られると、楽曲のイメージがガラッと変わります。
ちなみに収録曲は以下の通り。筆者は木村カエラちゃんの「ガッツだぜ!!」がお気に入りです。
1.Superfly / ヤング ソウル ダイナマイト
2.チャットモンチー / かわいいひと
3.UA / 歌
4.JUJU / 笑えれば
5.ハンバートハンバート / SUN SUN SUN’95
6.ふくろうず / バンザイ~好きでよかった~
7.片平里菜 / サムライソウル
8.阿部真央 / ええねん
9.松崎ナオ / 暴れだす
10.ルルルルズ / 大丈夫
11.BONNIE PINK / 僕の人生の今は何章目ぐらいだろう
12.木村カエラ / ガッツだぜ!!
出典: ウルフルズトリビュート~Best of Girl Friends~/VARIOUS
PV
PVも黒澤映画風に袴姿に身を包んだトータスさん、似合いますよね。坂本龍馬っぽいというか。
とは言っても刀を振り回すでもなく、掃除をしたり洗濯したりと家事をこなすトータスさん。
その寂しそうな背中を見るとちょっとだけ、もしかして奥さんが出てっちゃったのかな?って思ってしまいますね。
歌詞
見たまんまの いかにもテキトーな フザけた男と思ってたんやろ
熱しやすく 落ち込みやすい おれを見つめておまえは笑う
心配すんな ロマンチックな男やからね
後ろにひきずるものはあれど 想いは常に前にあるぜ
出典: サムライソウル/作詞:トータス松本 作曲:トータス松本
この曲って、熱烈なラブソングなんですよね。
たしかにモデルは三船敏郎さんなんですが、これはトータスさんが奥様に送った歌なのかなとも思えます。
ずっとそばで見ていてくれたパートナーへ送る、若造じゃ歌えない魅力にあふれています。
サムライソウル まちがいそうでも サムライソウル エイエイオー
出典: サムライソウル/作詞:トータス松本 作曲:トータス松本
さりげなく韻を踏みますね、ソウルとそう、ね。
ひとりのひとを愛するっていうのは いったい何を求めることなんやろ
かわいさか やさしさか それとも振り回されたいか
カッコつけんな 欲しがる前に己がちゃんとせな
おれはアホにもほどがある だからおまえといっしょにいたいんや
出典: サムライソウル/作詞:トータス松本 作曲:トータス松本
たったひとりを愛し続けること、若いころにはまるで途方もないことのように思えてしまいます。
そんなの自分には無理だなんて、諦めかけることもあるかもしれません。
でも人生の先輩のトータスさんは歌います。
なにかを求めるのではなく、ただそばにいたいと思うことだと。
相手に条件を欲しがる前に、自分がちゃんとしないとと背筋が伸びる思い、それが愛だと。
あのな 男っていうのはな サムライなんちゃうのん 戦ったり スゴそうな事企んだりして
それでおまえを 幸せにしたるっちゅうくらいの 気合いを
集中するっちゅうの 注入するっちゅうの おれは サムライなんちゃうのん
出典: サムライソウル/作詞:トータス松本 作曲:トータス松本
「サムライ」とは、かつて日本刀を持ち闘っていた歴史の人物ではなく、この歌の中では理想の男性像です。それも、男子が憧れる男子。
誰かの幸せを背負うこと、それが“サムライ”だと、歌い上げているのです。
こんなの歌われたら泣いちゃう。(※女子サイドの意見です)
ふたりで歩く橋の上 駅の名前のネオンサイン へなちょこでも気分はサムライや
そういうおれがおれは好きや そしておまえが好き めちゃめちゃおまえが好き
そうやって笑って見ててくれたら おれは誰にも負ける気がせえへんわ
出典: サムライソウル/作詞:トータス松本 作曲:トータス松本
で、ここですよ、ここがこの曲のパンチライン。
「めちゃめちゃおまえが好き」、これ以上に率直な愛の言葉ってあるでしょうか?
相手を愛して、支えたいともう自分も、自分で認められるような気がする。
支え合いたいと思うのは、こう思うときかもしれません。
そう思える相手と愛し合う人生って、最高じゃん?
終わりに
いかがでしたか?
なんだか歌詞を読み込んでみて、熱烈なラブソングではあるのだけど、若い二人のスタートである結婚式よりも、長く連れ添って、たとえば退職や銀婚式なんかの、ベテランなふたりにとって節目のタイミングで歌われるのに最適な曲なのでは、と思いました。
歳をとらなきゃ歌えない曲ってあるよね、斉藤和義の「歌うたいのバラッド」とかね。