選ぶのは夢か恋か?

ありがちと言えばありがちですが、真剣な夢を持つほど恋愛にも臆病になったり、夢と恋の両立が難しいことを実感させられます。

片方がうまくいかないと、もう一方も何だかおろそかに……どちらにも真剣だからこそ、そうなってしまうんですよね。

両方を上手にできるほど大人じゃない。

けれど後悔はしたくないから、どちらかを選ぶしかない。

恋愛を選んだことで、夢を諦めるか、夢を選んで恋を捨てるか。

あまりにも切なくてもどかしい選択肢なのです。

歌詞を味わう

シンプルなタイトルに詰まる想い

それでは、その名曲「YOU」の歌詞をじっくりと見ていきましょう。

このたった1単語に含まれる大きな意味を、独自解釈で汲み取っていきたいと思います。

ずっと待っていたの
言えなかったけど

足りない日々をそっと
埋めるように
笑ってた

触れるだけで
壊れた

指先から
離れて
消えた

出典: YOU/作詞:YUI 作曲:YUI

待っていたのは「YOU」、つまり「あなた」でしょうか。

出会えることを待っていた、大切な存在ができることを求めていた、そのように感じられます。

何も持っていなかった頃の自分は空っぽだった。

そんな時に出会えた素敵な人と大きな夢。

とても繊細なものたちは、そっと触れるだけで壊れるような脆いものでした。

さよなら
あなたを忘れられるほど
素敵な夢をみたいの

こんなに
綺麗な灯りともしたら
うつむいてられないでしょ?

出典: YOU/作詞:YUI 作曲:YUI

さよならを選ぶ決意をしたのでしょう。

恋よりも夢を選んだのです。

大切なあなたを忘れられるくらいに素敵な夢を見たくて、頑張って前を向きました。

目の前に広がるキレイなきらめき。

輝く舞台。

そんなものを前にして、うつむいてはいられません、

歩き出さなければいけないと、後ろ髪をひかれる思いも残る自分を駆り立てているようにも思えます。

もっと知りたいこと
いくつもあるの

無くしたわけじゃない
元の場所へ
戻るだけ

出典: YOU/作詞:YUI 作曲:YUI

今まで知らなかったことを知るのは、とても楽しいことです。

それが好きなことなら、なおさらもっと知りたくなります。

あなたを失ったわけじゃない。

ただ、その前に戻るだけのこと。

そんなふうに、自分に言い聞かせているのでしょうか。

違う人を
愛した

わかるような
気がして
泣いた

出典: YOU/作詞:YUI 作曲:YUI

自分ではない誰かを愛したあなた。

哀しいことだけれど、理由はどこかわかる気もするのです。

自分のせいかな、勝手に夢を追い過ぎたのかな、きっといろいろなものが足りなかったんだろうな……そんなふうに自分を責めて、泣いてしまうシーンが浮かびます。

後悔しても遅いのに。

あなたの気持ちもわかるから、何も言えないのです。

さよなら
あなたを忘れられるほど
素敵な夢などないわ

どんなに
綺麗な灯りともしても
鏡の前 立ち止まる

出典: YOU/作詞:YUI 作曲:YUI

今度こそ本当にさよならなのでしょう。

あなたを忘れられるほどに素敵な夢なんて、本当はなかった。

そう気付いてしまいます。

どんなにキレイな光がきらめいていても、それは自分に似合わない。

鏡の前で情けなく泣いた自分を見ながら、またあなたを思い出します。

自信なんてないの
きっと誰も同じはず…

あなたの横顔
想い出していたの

出典: YOU/作詞:YUI 作曲:YUI

変調になる部分。

自信がないのはきっとみんな同じでしょう。

いろいろ考えて、失敗も後悔もして、それでも前に進むしかない。

あなたの横顔を浮かべながら、思い出を巡らせます。

思い出すのが横顔なのは、実はあまり見つめ合って話すようなことがなかったせいなのかも知れません。

ずっと夢ばかり追いかけていたから。