YUI「again」

2009年6月発売のシングル

YUI「again」の歌詞に込められた想いとは…?!テレビアニメ「鋼の錬金術師」OPテーマ!の画像

「again」は、2009年6月にYUIの13枚目のシングルとして発売された曲です。

2008年の8月からリフレッシュ休暇に入っていたYUIがおよそ10か月ぶりに活動を再開するのにあわせて発売されたこの曲は、初動売上が自身初の10万枚を突破しました。

オリコン週間チャートでは1位を記録、月間で3位、年間でも34位と大ヒット作になりました。

YUIのハスキーボイスが栄えるクールな曲調で、ギターサウンドが印象に残る正統派ロックナンバーとなっています。

アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」オープニングテーマ

YUI「again」の歌詞に込められた想いとは…?!テレビアニメ「鋼の錬金術師」OPテーマ!の画像

「again」は、アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」の初代オープニングテーマに起用されました。

アニメがスタートを切る際のオープニングだったので、「鋼の錬金術師の主題歌といえばこれ」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

実写化や海外展開などもされている大ヒット漫画を原作に持つこのアニメ。主人公兄弟の過酷な運命や激しい戦いが描かれるダークファンタジー風の世界観に、YUIの鋭い歌声やシリアスな曲調はぴったりですね。

このタイアップが大きな話題になったので、「again」はアニソンとしての一面も大きい曲となりました。

ロック感溢れるMVに注目

「again」のMVは曲に合わせてロックバンド色が強いものになっていて、ポップで爽やかなYUIとはまた違った一面が見られます。

バンド編成のフロントに立ってエレキギターをかき鳴らす姿は、ロックシンガーとしての雰囲気もしっかりとあってかっこいいですね。

「CHE.R.RY」や「SUMMER SONG」で見せる「可愛い女の子」といった雰囲気だけでなく、この曲や「Rolling star」などで見られるボーイッシュでクールなYUIも好き、という方も多いのではないでしょうか。

YUIのバックには、レコーディングにも参加したステレオポニーのドラマー・SHIHOも出演しています。

歌詞に込められたメッセージを紐解く

行き詰った閉塞感をかかえて

夢のつづき
追いかけていたはずなのに

曲がりくねった
細い道 人につまづく

あの頃みたいにって
戻りたい訳じゃないの

無くしてきた空を
探してる

わかってくれますように

犠牲になったような
悲しい顔はやめてよ

出典: http://j-lyric.net/artist/a000715/l018042.html

「again(再び・もう一度)」というタイトルにも表れているように、この曲では「挫折からの再スタート・再挑戦」が描かれています。

歌い出しの歌詞は最初の「挫折」の部分を描き、そこには何かに行き詰ったときの苦しさ・閉塞感が表れています。

夢に向かってまっすぐ進んでいたはずなのに、気づいたら迷走して目的を見失ってしまう。そんな経験を実際にしたことがある方もいるのではないでしょうか?

後悔をかかえても「あの頃に戻る」ことはできないと分かっている。だからこそ、辛くてももう一度歩き出したい、とあがいている苦悩が感じられる歌い出しです。

罪の最後は涙じゃないよ
ずっと苦しく背負ってくんだ

出口見えない感情迷路に
誰を待ってるの?

白いノートに綴ったように
もっと素直に吐き出したいよ

何から
逃れたいんだ 

…現実ってやつ?

出典: http://j-lyric.net/artist/a000715/l018042.html

サビへと続くBメロでは、ストレートな葛藤がぶつけられます。

夢を追う過程で背負う「罪」とは何でしょうか。きっと上へと進むために、犠牲にしたものもあるのでしょう。それは自分の信条や想いであったり、さらには自分自身の心や身体だったりと様々です。

音楽活動の中で精神面でも不安定になることが多かったYUI。この歌詞には、そんな彼女のリアルな感情が表れているように思えます。

辛い今もいつかは過去になる

叶えるために
生きてるんだって

忘れちゃいそうな
夜の真ん中

無難になんて
やってられないから

…帰る場所もないの

この想いを 消してしまうには
まだ人生長いでしょ? (I'm on the way)

懐かしくなる
こんな痛みも歓迎じゃん

出典: http://j-lyric.net/artist/a000715/l018042.html

「帰る場所もない」と、後戻りしない覚悟を決めた言葉が印象的です。

時には夢を追っていることを忘れそうになる辛い日々の中でも、意地を張ってでも前に進もうとするかのような気持ちが歌詞には表れています。

今自分を苦しめる痛みすらいつかは懐かしい過去のものになるからと、「歓迎」してみせる強さに圧倒されますね。