もう相当何かが足りません たまりません 至りません
相当何かが足りません たまりません 至りません
Baby’s on Fire Baby’s on Fire
Baby’s on Fire Baby’s on Fire では済みません
Baby’s on Fire Baby’s on Fire
Baby’s on Fire Baby’s on Fire では済みません

出典: Baby’s on Fire/作詞:Takkyu Ishino,Pierre Taki 作曲:Takkyu Ishino

最後は「ません」の韻と「Baby's on Fire」のリフレインです。

雲を掴むような感じです。

歌詞は全体で何か意味を表してはいないようです。

ただし、「Baby's on Fire」のキーワードには意味があります。

そのためにはいったん電気グルーヴの話から離れなければなりません。

電気グルーヴのオリジナルではない「Baby's on Fire」のタイトル

ブライアン・イーノ

【Baby's on Fire/電気グルーヴ】歌詞を超まじめに解釈してみた!その言葉の響きが心地いいの画像

最初に「Baby's on Fire」を曲のタイトルに使ったのはブライアン・イーノ。

アンビエント・ミュージック(環境音楽)の大家として知られるイギリスのミュージシャンです。

イーノはロキシー・ミュージックのオリジナル・メンバーとして1972年にプロとしてデビューしました。

ロキシー・ミュージックではキーボードとサウンドエフェクトを担当しています。

当時はサンプリングもなくムーグ・シンセサイザーを駆使していました。

初期のロキシー・ミュージックで聴けるサイケデリックなサウンドはイーノの手によるものです。

そのイーノは1973年に発表したセカンド・アルバムのリリース後にグループを脱退。

1974年にリリースしたファースト・ソロアルバムが「ヒア・カム・ザ・ウォーム・ジェッツ」。

「Baby's on Fire」はこのアルバムの3曲目に収録されています。

延々と同じリズムを刻むリズム隊とキング・クリムゾンのロバート・フィリップが弾くノイジーなギターソロ。

ノイズ音楽に傾倒していた石野卓球が好みそうなサウンドです。

石野卓球は人生に影響を与えた曲の一つにイーノの2nd「テイキング・タイガー・マウンテン」を挙げています。

ベイビーの正体とは

それではイーノの「Baby's on Fire」はどんな歌詞なのか見ていきます。

「Baby's on Fire」が出てくる冒頭の部分を訳します。

Baby's on fire
Better throw her in the water
Look at her laughing
Like a heifer to the slaughter

出典: Baby's on fire/作詞:Brian Eno 作曲:Brian Eno

ベイビーズ・オン・ファイヤー

彼女を水の中に放り投げた方がいい

彼女が笑ってるのを見ろ

屠殺される若い雌牛みたいだ

Baby's on fire
And all the laughing boys are bitching
Waiting for photos
Oh the plot is so bewitching

出典: Baby's on fire/作詞:Brian Eno 作曲:Brian Eno

ベイビーズ・オン・ファイヤー

笑ってるガキどもはみな悪口を言ってる

写真を待ってる

オー、この企みはとても艶めかしい

初めの「Baby's on Fire」に対して「her」で受けているので「Baby」は女性です。

「Baby」には赤ん坊の他に恋人や若い女性に親しみを込めて呼びかける時にも使います。

「on fire」は「燃える」ではなく「興奮している」のニュアンスで使っているようです。

つまり、「Baby's on Fire」の意味は「彼女はいきり立っている」とするのが適切でしょう。

イーノは歌詞にあまり意味を持たせていないと言っています。

そして「heifer」に「slaughter」、「laughing」と「bitching」と韻を踏ませています。

この後に続く歌詞にも韻が随所に見られます。

電気グルーヴの「Baby's on Fire」でやっている韻の踏み方と同じパターンです。

ここまで見てくると電気グルーヴブライアン・イーノのオマージュとして「Baby's on Fire」を作ったのか。

そういう思いがますます強くなります。

他のミュージシャンによる「Baby's on Fire」

調べたら他にも「Baby's on Fire」のタイトルを付けた曲がありました。

年代の古い順から紹介します。

サミー・ヘイガー

【Baby's on Fire/電気グルーヴ】歌詞を超まじめに解釈してみた!その言葉の響きが心地いいの画像

ヴァン・ヘイレンの元ボーカリスト兼ギターのサミー・ヘイガー。

彼がバンド在籍中の1981年に発表した8thソロアルバム「Standing Hampton」。

その3曲目に「Baby's on Fire」が収録されています。

曲は80年代のアメリカンロックですが、サビに「Baby's」を「She's」に変えたり「My」を付けた歌詞です。

「Baby's on Fire」はイーノと同じ意味で使っています。