そんなんじゃなれないよ
スーパーヒーロー
いつでもエキストラみたいにさ
シナリオ通りのスマイル
見たくもないよ

出典: Actor/作詞:Kai Takahashi 作曲:Kai Takahashi

正義の味方の登場です。

しかし高橋海さんのことですから、アメリカンコミックに出てくるような超人のことではないはず。

大げさな話ではなく、自分が目指す夢や目標を達成することを表しているのでしょう。

願いを実現しないままでは、自分の人生でも主役になれないということ。

確かに、嬉しくもないのに作り笑いをしているようでは夢も目標も叶わない感じがします。

ただこれは、この楽曲を聴く方に向けてのメッセージではありません。

高橋海さんが自分自身に対してダメ出しをしているイメージです。

文句を言っているばかりでも、逆に自分に嘘をついてまで笑顔を振りまいても、大事なことは伝わらない

そう危機感を募らせているようです。

夢を叶える為には、ネガティブな演技や嘘っぽいお芝居をどうにかしなければいけません。

ただ、客席側の高橋海さんは愛想笑いこそしていないものの、否定的な言葉を並べています。

このあたりにまたしても矛盾が潜んでいるかもしれません。

2番の歌詞をチェック

不定の否定は演技?

LUCKY TAPES【Actor】歌詞の意味を解釈!どう現実を演じよう?シナリオが不要な理由とはの画像

あいつが来るなら
みんなもやるなら
そんなこと言ってても
仕方がないでしょう?
このままじゃいられないから
この先には進めないから

出典: Actor/作詞:Kai Takahashi 作曲:Kai Takahashi

この楽曲を聴く方は、高橋海さんが書いた歌詞だからと一生懸命気持ちを汲み取ろうとしていたはずです。

ところがスコンと梯子を外されます。

右へならえのような付和雷同、まわりの空気を読むだけではダメと釘を刺されるわけです。

しかも「文句ばかり言っていてもどうしようもない」という文句ばかり言っていてもやっぱりどうしようもない。

そんな混沌とした状態です。

高橋海さん自身が自分にダメ出しをしているようでありながら、すべては演じてみせたこと、とも受け取れます。

役者ですね。

ただ、実際問題、ぐるぐるループするだけになっているので新たな展開は必要になってきます。

舞台から客席へ

LUCKY TAPES【Actor】歌詞の意味を解釈!どう現実を演じよう?シナリオが不要な理由とはの画像

ローリンローリンローリング
僕ってなんか変じゃない?
少しダサいくらいでいい
嫉妬してばかり冗談じゃねえ

出典: Actor/作詞:Kai Takahashi 作曲:Kai Takahashi

大きな変化球が投げられました。

舞台に立っていたのは、スクリーンに映っていたのは、誰なのでしょうか。

高橋海さん自身を匂わせながら、高橋海さんが演じる誰か、この楽曲を聴く方だったのかもしれません。

このようにリスナーを混沌の渦に巻き込んでおいて、高橋海さん本人は舞台やスクリーンから客席に問うのです。

自分はおかしくないか、と。

ここまでくるとあなたが変わっているのか、私が変わっているのかもわからなくなってきます。

確かに、高橋海さんは「悩まないで」とストレートにリスナーへ呼びかけるタイプの正義の味方ではありません。

この楽曲でも、主体と客体をぐらぐら揺さぶることでメッセージを伝えようとしています。

変わった英雄かもしれません。

脚本が不要な理由とは

自撮りは終わり

LUCKY TAPES【Actor】歌詞の意味を解釈!どう現実を演じよう?シナリオが不要な理由とはの画像

最終便に乗って旅に出よう
マイルでも貯めて
トラベラーになって
セルフィーも飽きちゃったし
きっと世界は広くて

出典: Actor/作詞:Kai Takahashi 作曲:Kai Takahashi

さらに飛躍が続きます。

ちょっと待って、これは高橋海さんの本音なの?それとも高橋海さんは誰かの現実を演じているの?

混乱したままのリスナーを置いてけぼりにして、空へ飛んで行かれました。

なぜなら自撮りが退屈になったから。

自分自身を、人生劇場という舞台に立つ俳優に見立てて、客席から客観視した意見を言うことが自撮りです。

そのパターンはもう十分だから、別の構図に切り替えるということ。

この楽曲の場面設定を、人生の舞台やスクリーン、客席だけに限定したくない模様です。

現実からの解放

LUCKY TAPES【Actor】歌詞の意味を解釈!どう現実を演じよう?シナリオが不要な理由とはの画像

飛び交う言葉に惑わされたり
大事な台詞を聞き逃したり
台本も読まずに
そうトリップして

出典: Actor/作詞:Kai Takahashi 作曲:Kai Takahashi

空へ旅立ったことにより、人生劇場から解き放たれました。

むしろ高橋海さんは現実のしがらみからの解放を目的として、あえて現実を演じていたのではないでしょうか。

誰かの発言というのは、受け取る側次第で悩みの種にもなれば人生の指針にもなり得ます。

聞くべきことを聞かず、聞かざるべきことばかり聞いていれば、高橋海さんが演じた堂々巡りになるという話。

それもこれも人生劇場にすぎません。

決まりきった筋書きから目を離してみると視界が開けるというメッセージ。

そもそも人生劇場という舞台設定も思い込みなのかもしれません。

人生には脚本があるという考え方から解き放たれたときに、悩みが吹き飛ぶのではないでしょうか。