本当はちょっと怖い「魔法鏡」
えーと、まず「魔法鏡」の読み方ですけれど、CDの裏ジャケにフリガナ振ってありますから言っちゃうと「マジックミラー」です。
例えば高層のインテリジェント・ビルなんかで、窓ガラスが鏡みたいになっているビルありますよね?あれですよ。内側からは外は見えるけれど、外側から中は見えない構造になってます。
これは光の加減で逆に内側が外側より明るいと(夜みたいに)、まったく逆の見え方になります、ココ良く踏まえておいてください。
これ、怖いのは外側の人がそれだと気づかずに、普通の鏡だと思って見てしまうこと。
そして噂ではファ〇〇ョン・ホテルなんかに設置されて、知らずに盗撮されていること、そこのアナタ、ぜひ気をつけてくださいね。
RADの5th「アルトコロニーの定理」の1曲
さて、この「魔法鏡」(マジックミラー)なんですが、2009年3月にリリースされた彼らの5thフルアルバム「アルトコロニーの定理」の11トラック目に収録されています。
基本的には恰好の良い、スピードロック。しかし主に歌の部分はギターのしなやかなアルペジオで構成され、静と動の対比がとても印象的です。
特にギターの助奏やソロ、微妙なブレイク、美しさすら感じるほどです。
もちろん彼らのライブでも大好評で、かつては必ずといって良いくらいセットリストに載って来ていました。
この演奏に非常に味わい深く、とても難解な歌詞が乗っかってきます。ではその解説を....参考にギターコードも掲載しましょう。
「魔法鏡」(マジックミラー)の歌詞を紐解いてみる
登場するのは1人?それとも2人?
この「魔法鏡」の歌詞ですけれど、登場するのは1人、だけど2人。よく解からない言い方ですが。
1人は目に見える物質としての自分、1人は目に見えない自分、すなわち、心の中の自分のことです。
D6 E F♯m7
たった一つだけ殺めたとしても
D6 E F♯m7
たった一つだけ傷つけたとしても
D6 E F♯m7
裁かれない命がここにあるよ
E A B
この手の一番そばに
出典: 「魔法鏡」(マジックミラー) 作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
D6 E F♯m7
傷つけ合うことはできても
D6 E F♯m7
その手は握れはしなくて
D6 E F♯m7
声はちゃんと聴こえているのに
E A B
僕の鼓膜は揺れないの
出典: 「魔法鏡」(マジックミラー) 作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
例え「殺して」も「傷つけて」も裁かれない命、すなわちそれは自分の命に他なりません。
そして、心の中の自分は物質としての、肉体の自分に語り掛けるのです。でも心の中で声は聴こえても、物質としての鼓膜は揺れることはないのです。
そして、鏡に映っている自分が...
A G♯mC♯m B A B C♯m
もう 少しだ けこ のまぶ たに 載って て
A G♯m C♯m B A B
いつ だってそ う 見 えるの は 一人だけ
A G♯mC♯m B A BC♯m
もう 少しだ けそ の声 震 わせて て
A G♯m C♯m B A B C♯m
「泣き たいの に 泣 けぬな ら 笑えばい い」
出典: 「魔法鏡」(マジックミラー) 作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
ここで、鏡に映っている、物質として肉体を持った自分が(おそらく)登場してきました。
鏡に映らない、心の中の自分に語り掛けるのです。物質の、肉体の自分の眼の部分に居てくれ、って。
だけど双方ともお互い分離してしまっている訳ですから、物質だけの自分にはその感覚が解からない。
双方をコントロール出来るのは、心(魂)と肉体が統合して一体化した自分だけなのです。
彼は告げます「どうせ泣いたって解からないのだから、だったらいっそのこと、笑えよ」と。
物質としての自分に、心の中の自分は
うーん、だいぶややこしく?なってきました。ちょっと整理して読んでくだされば、幸いです。
ここでまた心の中の自分が、物質としての、肉体だけの自分に語りかけるのです。
D6 E F♯m7
たった一つだけ嫌われたとしても
D6 E F♯m7
たった一つだけ裏切られたとしても
D6 E F♯m7
君を離さない命があるんだよ
E6 A B
その手の一番のそばに
出典: 「魔法鏡」(マジックミラー)作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎