映画『言の葉の庭』
新海誠の美しい世界
映画「君の名は。」といえば2016年に公開され、とても話題になりました。
そのアニメーションや原作、監督を務めたのが新海誠です。
新海誠は「秒速5センチメートル」や「星を追う子ども」などを代表作に持ち、美しいアニメーションが特徴的で切ないストーリーを紡ぎだすことで有名なアニメーション作家です。
そんな新海誠の5作目となる劇場版アニメ映画が「言の葉の庭」です。
この作品は2013年5月31日に公開されました。
「雨」がキーワード
映画を観た人は分かると思いますが、雨のシーンが非常に多いのがこの作品の特徴です。
新海監督自身も「雨」をテーマにこの作品を描いたそうです。
なので、そういった意味でも作品のテーマに沿った「Rain」はエンディングテーマに選ばれるべくして選ばれたのではないでしょうか。
大江千里って誰?
「Rain」はカバー
「Rain」は大江千里のカバーとしても話題になりました。
しかし、現在の若者たちは大江千里を知っているのでしょうか。
知らない人の方が多いのではないかということで、大江千里についても少し触れていきます。
シンガーソングライター
大江千里は1983年にシンガーソングライターとしてデビューしました。
代表作は「十人十色」「格好悪いふられ方」で、もしかしたらドラマ「モテキ」で劇中に使用された「格好悪いふられ方」で知っている人もいるかもしれません。
現在はジャズピアニスト
2008年に日本での音楽活動を休止し、アメリカに渡りました。
なぜアメリカに渡ったのかというと「ジャズピアニスト」になるためなのです。
渡米後はアメリカの音楽学校に通い、2012年に無事に卒業、同年そのままジャズピアニストとしてデビューも果たし自身の夢を叶えました。
「Rain」の歌詞を紐解く
言葉にできず凍えたままで
人前ではやさしく生きていた
しわよせで こんなふうに雑に
雨の夜にきみを抱きしめてた
出典: Rain/作詞:大江千里 作曲:大江千里
冒頭の歌詞からすでに雨の世界観を提示しています。
上手に生きていくのは難しいことで、自分の想いを言葉にしたり、相手にちゃんと伝えることは簡単なことではありません。
そんな風に自分を押し殺して、他人の前では取り繕って生きていると、どこかで必ずそのしわ寄せがやってくるものです。
そのしわ寄せは君に回ってきてしまっています。
「抱きしめた」という言葉から本当は君にも優しく接したいのに、雑に接してしまう自分の中での葛藤を感じ取ることができます。
道路わきのビラと壊れた常夜燈
街角ではそう だれもが急いでた
きみじゃない 悪いのは自分の激しさを
かくせないぼくのほうさ
出典: Rain/作詞:大江千里 作曲:大江千里