裏路地で待ち合わせる相棒
SANTENA登場
繁華街から薄暗い裏路地に入ります。
都会の華やかなネオンは俺たちには似合わないな...。
そんなことを考えながら路地を歩いていきます。
目的はただ一つ、全幅の信頼を寄せる相棒SANTENAが待つ場所です。
超超良い感じの蝶になりたい
と俺は思っていた
なのに羽化した
瞬間から瞬く間に落下した
飾り物だったんだ俺の羽は
みんな飛んで行くのにな
サナギだった頃に何もしなかったからかな
出典: SANAGI feat.SANTENA/作詞:FARMHOUSE,SANTENA 作曲:SUSHIBOYS
ショートドレッドにサングラス。
鋭角的な顔立ちがナーバスさを感じさせる相棒と再会のハンドサインを交わします。
いよいよSANTENAの登場です。
常にハイテンションでクレイジーな振る舞いを見せてくれるSANTENA。
『SANAGI』ではやけに感傷的なリリックを噛みしめるようにライミングしていきます。
自信に満ち溢れた表情でラップしていたSANTENAと同一人物とは信じがたいほどです。
これまでのキャリアを振り返るように内向的なリリックが続きます。
すねをかじり尽くした「はらぺこあおむし」
地面落ち這いつくばるその様はまるでイモムシ
情けないな蝶のくせに
無駄にでっかくなってる羽が恥ずかしい
勝手気ままにさ 生きてきたから
ツケ回って来てるんだな今の俺は
出典: SANAGI feat.SANTENA/作詞:FARMHOUSE,SANTENA 作曲:SUSHIBOYS
キャリアを進め様々な同業者とも共演してきたSUSHIBOYS。
同じく地方都市をトピックに武道館公演を行う若きクルーたち。
渋谷の街を闊歩するMVでバズったMCは今やEXILEと肩を並べています。
ラッパーとしてのプライドが徐々に崩れ去っていく...。
今まで自分たちは何をやってきたのだろう?
『SANAGI feat.SANTENA』のMVでSANTENAは繁華街になかなか出ようとしません。
まるで薄汚れたこの裏路地が自分にはお似合いだといいたいのでしょうか?
腹ぺこ青虫はすねかじり尽くした
俺が青いままじゃ 青い空は飛べないから
もう一回だけやり直せるかな
手に取ってるこのマイクロフォンが
今の俺の唯一の羽だと信じ また羽化を待つサナギになる
出典: SANAGI feat.SANTENA/作詞:FARMHOUSE,SANTENA 作曲:SUSHIBOYS
エリック・カールの有名な絵本「はらぺこあおむし」を自身に重ねるSANTENA。
ようやく過去の人生を受け入れたようにSANTENAは再び歩を進めます。
そして表通りで軽やかにステップを踏み始め出すのです。
生越とは違い星の見えない夜空を見つめ何かを想います。
俺たちの道は間違っていない。
だからもう一度歩き出そう、そう決意したのでしょう。
再び自由の羽を手に入れた蝶
向かう先は解放感に満ち満ちたシーサイド
MVの舞台は渋谷の繁華街から一転して美しい海辺の景色に移ります。
解放感溢れる突き抜けるような青い空と大海原。
そこでSUSHIBOYSの2人が乗り込むのは軽自動車、ではなくパールホワイトのBMW!
一瞬わが目を疑ってしまいました。
もう一度言います。
『軽自動車』でもなく『ママチャリ』でもなく、ましてやオンボロ『ダンボルギーニ』でもありません。
I wanna be a butterfly まだまだまだfly
何も心配いらない くらい飛んで行くのさ
大きな問題でも 小さく見えるまで
高く飛んで行くのさ 羽を広げ青い空
出典: SANAGI feat.SANTENA/作詞:FARMHOUSE,SANTENA 作曲:SUSHIBOYS
ラストバースで2人はようやく望むべき羽を手に入れる希望を見出すことができたのです。
ラッパーにとって高級車とマガジンカバーは成功の証。
しかし筆者の予想ではあくまで撮影用のものであると推察しています。
なぜなら『SANAGI feat.SANTENA』のリリックで2人はまだ蛹の状態です。